外は当たり前だが真っ暗で人気が全くなく
広がるのは無数に星が散らばる夜空と何もない大地。 ジョナサンは亀を抱きながらきょろきょろと 辺りを見回し、そして発見する。 <父とは、夫とは。>後編 ジョナサン 「・・・・そこにいたのかDIO。」 DIO 「良く俺の返事に快く応えてくれたな、嬉しいぞ?」 月に照らされた金の髪を輝かせながらDIOが近づいて来る。 じつはさっきジョナサンにだけDIOの声が聞こえたのだ。 お前ひとりだけで外に出ろと。 闘う意思はないと彼は言ったがその言葉を鵜呑みにするほど ジョナサンも迂闊ではない。 しかし出なければきっと中の仲間たちに被害を及ぼすだろう。 だからこそジョナサンは決死の覚悟で一人で外に出たのだ。 いつまでも自分を睨みつけるジョナサンを取りあえず 大きな石に腰かけさせ、自分もその隣に座る。 DIO 「そう構えるな、会話したいだけだ。」 ジョナサン 「僕には何もない。」 DIO 「何を真面目ぶっているんだ?髭遊びしていたくせに。 そんなに髭爺が良いか?」 ジョナサン 「えっ?」 DIO 「何が「え?」だ。年甲斐もなく髭をすりすり してもらっていたのは誰だ?ばっくれるなよ? ちゃんと見ていたんだぞ。」 ジョナサン 「え・・・?いや・・それはその・・・って! どこから見ていたんだ!!モニターは消しているんだぞ!」 DIO 「お前のことは何でもわかる、同じ血という奴だ。 勿論俺の息子のこともな・・・。 (本当は隠しカメラ的なものを仕込んであるのだが それを言うと家探しされるのであえて隠してるがな。)」 DIO 「ジョナサン・・・。アイツの事だが・・・。」 ジョナサン 「え・・・?アイツって・・・ジョルノの事かい?」 DIO 「そうだ・・・。父で苦労したらしいな、話は聞こえた。」 ジョナサン 「君の事で今も苦労しているんじゃ・・・。」 DIO 「俺の事はいい、それでな・・ その話を聞いて俺は思わずにいられなかった、 息子を苛めた男を許せないと・・・。 お前は俺を誤解しているようだが、俺なら息子を 痛めつけるような育て方はしない・・・。」 ジョナサン 「・・・・・・・・。」 DIO 「なんだそのつめたーい目は、だからお前は 俺を誤解しているというんだ。 いっぺん二人で俺の所へ来てみろ。 からだがとろけるほど愛してやるから。 ジョナサン 「具体的に聞くけど、どう愛してくれるんだ?」 DIO 「そりゃもちろんセック・・・・。」 ジョナサン 「君の頭はそれしかないのか!」 DIO 「セックスより深い愛し方はない!!」 ジョナサン 「相手の気持ちを考えたことがあるのか!! セックスと強姦は違うぞ!」 DIO 「お前の言う通りだ、だがな相手が俺を愛せば それは愛あるセックスだ、違うか?」 ジョナサン 「そ・・その通りだけど・・・!愛を強要するのは 愛とは違うよ!」 DIO 「ならお前はどういうのが愛だというのだ。 例えばお前が愛してやまない人間がいるとしよう。 しかし相手はお前を愛していない、その時どうする? 諦めるという選択肢は無しだからな。」 ジョナサン 「・・・・そ・・・それは・・・う・・うーん。 頑張っていいところを見せて、それでもだめなら 何故自分を拒むのかを聞いて・・悪い所を直して・・。 (・・・ダメだ・・理由によっては諦めるという 選択肢になってしまう・・・。)」 DIO 「ほら見ろ、理由によっては諦めなければならないだろう? だがな俺から言わせればそれは甘やかしだ。 野菜嫌いの子にどうしても野菜が嫌だと泣いて言われたら 可哀想だから食べなくてもいいよと甘やかすようなものだ。 俺なら美味く調理して食べさせる、何度でも 試行錯誤を繰り返しそして嫌いから好きにさせる。 例えば嫌がるお前ら親子をどうやったら悦ばせて やれるか・・いろんな抱き方をしながら試行錯誤を 繰り返す。」 ジョナサン 「へ・・?あの・・・その・・・。」 DIO 「心配するなコツは判っている。さあ・・・甘美な世界に 足を踏み入れるのだ。お前を連れて行ったら次は ジョルノを連れてこよう、きっと気に入る・・・。 いいや、気に入らせてみせる。」 ジョナサン 「だめだ!!僕はともかく息子に手をかけるって何だい! 君はさっき何を聞いてたんだ!あの子が父親に虐待を 受けていたことは判っているんだろ!?はっきりいうけど 君がやろうとしていることも虐待だぞ!そういうのを 性的虐待っていうんだ!!」 DIO 「何を言う、それは犯す前に殴ったりひっぱたいたりして 暴力を加えるから虐待というんだ。俺は違うぞ。 痛い目にあわせたりはしない。」 ジョナサン 「そりゃ君は抱きしめるだけで相手の全ての動きを 封じることができるからね!そうじゃなくて心への 暴力のことをいっているんだ!!ああもう! やっぱり君は父親失格だよ!」 DIO 「何だと!俺から父親権を奪うというのか! つまりお前は夫と妻のポジションを変えろ というのだな!馬鹿者!己を知れ!! 女も抱いたことないくせに、テクニックもないくせに 「夫面」するのは百億光年早いわ!」 ジョナサン 「(よ・・余計なお世話だよ! てゆーかそんなこといってない!) じゃあ君は何をもって父親とするんだい! 何をもって「夫」というんだい!」 DIO 「父親と夫に必要なものだと?決まっている! 行動力、指導力、厳しさのなかにたまに見え隠れする やさしさ、巌のような男らしさ、そして何よりも大事なものが 世界を屈する力、支配力、性のテクニックと行動力だ!」 ジョナサン 「最後の「大事なもの」が全部必要ないよ!!」 DIO 「・・・・・・。」 ジョナサン 「DIO・・・?(あれ?もうお終い? もっと食い下がるかと・・・・。)」 DIO 「・・・悲しいなジョナサン・・・俺は温和に 話し合いしたかった・・・。しかし・・・ お前の強情なその性格のせいで、結局力づくに なってしまうとは・・・。」 ジョナサン 「へ?」 DIO 「もうお前の承諾なんか聞かない、お前を攫い ジョルノも攫う。お前ら親子を犯す。 お前らが俺に愛を感じるまでな、 なーに、どんなに時間がかかっても構わない。 嫌がるお前らを犯すのもそれはそれで楽しいからな。」 ジョナサン 「ちょ・・・DIO、顔が劇画調極悪人モードに・・。」 DIO 「お前のせいだ。さて、亀を渡してもらおう。いや お前を攫って亀を奪ってもいい。お前の命が 危ないと言えば、ジョルノも出てくる。 そうだ・・・お前らが俺を愛さない限り ほかのメンバーを一人づつ殺していくというのは どうだ・・・俺を嫌でも愛したくなるだろ? ま、犯ることは犯るがな・・・。」 ジョナサン 「ま・・・待ってくれ。僕は君が心を入れ替えて くれれば「父親」として認めない訳じゃ。」 DIO 「心を入れ替えるのはお前ら親子だ。 さあ、来い・・・たっぷり楽しませてや・・ どわっ!!!」 ジョナサン 「あ・・・!」 DIO 「・・・き・・・貴様、なんだこの強すぎる波紋は!」 ジョナサン 「これは確か(老)ジョセフに・・・。」 DIO 「いいや違う!これはあの老いぼれだけの ものではない!く・・・あの爺め・・・。 本当に抜け目のない!・・・・覚えておれ! かならずお前ら親子を○○して??して ヒーヒー言わせてやるからな!!」 ジョナサン 「DIO・・・!(ち・・ちょっとそれ小物臭いよ・・。)」 かくしてDIOの魔の手から逃れられたジョナサンは 亀の中に戻ると真っ先に 老ジョセフに礼をいい、先ほどまでの過程を (エロ談は抜いて)かいつまんで話した。 老ジョセフ 「ははは、実はあれはの、わしだけじゃなくて シーザーと昔のわしの波紋も入っとるんじゃよ。 どうりで強いと思ったろ?」 ジョナサン 「そっか・・・シーザーという人と昔の君に お礼を言っておかなきゃね。」 老ジョセフ 「シーザーに礼を言うのは構わんが 昔のわしは無視しても構わん。」 ジョナサン 「また・・・・厳しいなあ、 いくら過去の自分とはいえ。」 老ジョセフ 「いいのじゃ、あんな悪ガキ。 ところでDIOは諦めた・・・という訳では ないのじゃろうな・・・。」 ジョナサン 「まあね、でも僕はやっぱり彼に ジョルノを渡す気はない、あれはダメな 父親だ・・・。」 老ジョセフ 「成程な・・・それに爺様も嫁ぐ気はないと・・・。」 ジョナサン 「と・・嫁ぐって・・・最初からそんな気はないよ!」 老ジョセフ 「(そんな顔を真っ赤にして焦らんでも・・。) ま・・・どっちにしろわしらはDIOと戦わねば ならん・・・。爺様とあの子だけの問題じゃ ないという事を忘れんでくれ・・・何かあれば わしらは勿論・・・・な?」 ジョナサン 「ジョセフ・・・ありがとう・・。」 亀の中で繰り広げられるお約束の感動物語の 一方、DIOはアジトへ戻り 相変わらず不満な顔をして新たな酒を煽る。 ジョナサンもジョルノも結局攫ってこれなかったのだ。 仕方ないと言えば仕方がない。 DIO 「くそが・・・全部あのじじいのせいだ・・・。」 ヴァニラ 「心中お察しします。」 DIO 「どうしたらこの怒りを鎮めることができるだろう。」 ヴァニラ 「まあ、一番いいのが「ぶっ殺す」ですが・・・ それは容易な事ではないですので・・・・ ふむ、嫌がらせをしてはどうでしょう。」 DIO 「ほう、例えば。」 ヴァニラ 「そうですね、今日DIO様が行動を起こそうとした きっかけは、爺の髭ですよね。つまり・・・。」 DIO 「なるほどな・・・地味な嫌がらせだがそれでいくか。 じゃ、さっそく全員の部下に爺の髭を狙うよう 指示して来い。命をうばえなくても爺の髭を 奪ったものには褒美をやると。」 ヴァニラ 「は・・。ただちに。」 DIO 「・・・またジョナサン達が奴にすりすりされたら たまらんからな・・・。じじいめ、ざまあみろ。」 数日後亀の中では・・・。 徐倫 「ひいおじーちゃんどうしたの? やっぱり年なのかしら・・・・。 また触らせて貰おうと思ったのに・・。」 承太郎 「おめーも好きだな、だがじじいは 皆にサービスしてやれる余裕がねーんだ。 ここんとこ戦闘ラッシュが続いているからな。 何故か知らんがじじいが指名されるし・・・。」 徐倫 「そう言えば何故か顎ばっかり狙われるって 言ってたわ。敵もお髭が好きなのかしら。」 承太郎 「ンな訳ねーだろ。どうせDIOの野郎だろ。 じじいもたまにうわごとでDIOの祟りじゃ っていってやがるし・・・。」 言いながら二人は寝込んでいる老ジョセフを 心配そうに見つめる。 ジョナサンには言うなと口止めされているが いずれはバレるだろう。 案外DIOと再開する日は近いのかもしれない。 終 |