早朝のジョジョ病院、機械音が静かになり響く中、
珍しく早起きしたDIOが院内を
点検して回っていた時だった。
まだ薄暗さの残る長い廊下を歩いていると
通路の真ん中にポツンと落ちている紙袋に目が留まる。

DIO
「・・・む?」

拾い上げるとそれは軽く、感触は衣服のようだった。
それは綺麗な包装紙に包まれていて、多分新品なのだろう。
普通の人間なら相手を気遣って、破ったりして
中を覗かないのだがDIOは遠慮なくビリビリと破り
中を確認する。

DIO
「これは・・・。」

一瞬だがDIOの目が見開く。普段はどんなことでも
滅多に驚かないのだが。手に持っているこの物体は
この病院の誰もが必要としないものだ。そう、何を隠そう
DIOが拾ったものとは新品のブラジャーだった。



【男のブラ○○は必要か?】

DIOが謎の落とし物を拾ってから数時間後
ジョナサンが眠い目をこすりながら更衣室へ入ってきた。
既に他の三人は着替えており仕事前の休憩をしている所だった。

ジョナサン
「おはよう・・・昨日DIOと徹夜でゲームしたから
 眠くて眠くて・・・。」

ジョルノ
「お疲れ様です、母さん。」

ジョルノが眠気覚ましにどうぞとばかりに、ジョナサンに
アイスコーヒーを勧める。ジョナサンは礼を言うと
それを一気に飲み干した。どうやら本当に疲れているようだ。
それを見ていたジョセフと承太郎もジョナサンに同情する。

ジョセフ
「副院長も大変だねェ。」

承太郎
「お気の毒だな、本当に。」

DIO
「それが妻の夜の務めだ。」

ジョセフ
「夜の務め?」

ジョナサン
いきなり現れて変なこと言うな!
 ほ・・・本当にただのゲームなんだ。
 チェスだよ、チェス!

いつもの通りいつの間にやら更衣室に入ってきて
自然に会話に割り込んでくるDIOの事には誰も突っ込まないが
意味深な一言についジョセフが聞き返す。
周りに誤解されたらたまらないとばかりに
ジョナサンが慌てて弁解する。

DIO
「そう、負けたらあんな事そんな事をされるのだ。」

ジョセフ
「え?じゃあ、あんたが負けたの?」

DIO
「どういう意味だ?」

ジョセフ
「だって副院長が負けてたら、こんなすがすがしい顔で
 挨拶なんかしねーもん。」

メンバーの中では一番、「この手の話」に敏感なジョセフが
DIOにツッコミを入れる。もしもDIOが勝っていたら
ジョナサンはDIOに夜の運動を強いられて、くたくたに
なっているはずだ。しかし今朝のジョナサンに事後の
余韻は全く感じられない。

DIO
「勝ったのは俺だが?」

ジョセフ
「え?でも副院長・・・。」

DIO
「仕事開始の一時間前にな。」

苦々しく舌打ちをするDIOに承太郎は内心「ざまあ」と
笑いながらも、同時にジョナサンの機転のよさに感心する。
流石にDIOに何度もやり込められているだけあって
ジョナサンも少しは学んでいるようだ。
しかし、その話からするとジョナサンは一時間しか
寝ていないという事になる。それについては同情せざるを得ない。

承太郎
「なるほど、作戦勝ちだな副院長。
 仕事開始一時間前じゃ、こいつは
 なんにもできねーだろうしな。」

ジョナサン
「眠気と代償だけどね・・・。」

DIO
「ふん、こざかしい奴だ。ちゃんとつけておくからな。
 覚悟しておけよ。」

ジョナサン
「都合のいいことばかり覚えてて、都合の悪い事は
 皆忘れているんだからね!・・ところでその
 手に持っているものは何だい?」

ジョナサンはDIOが入ってきたときから既に気づいていた。
彼に似合わないくらいの、可愛らしい布でできた「それ」。
DIOもジョナサンに促され、ようやく思い出したように
手に持った「それ」をみんなの前にチラつかす。

DIO
「そうだ、今日はこれの事について聞きたいと思う。」

ジョセフ
「な・・それ・・ブラ・・。」

DIOの手に持っている物を見て、みんな一斉に言葉を無くす。
DIOが手に持っているものは確かにブラジャーだ。
全員男性で、縁のないものだが、ブラジャーの形位は分かる。
しかし問題は何故DIOがブラジャーを持っているかだ。
DIO以外の間に流れる気まずい空気。ジョルノは小声で
DIOを窘める。

ジョルノ
え・・父さん!それはマズいですよ!

DIO
「・・・?何がマズい?お前のか?」

ジョルノ
ふざけている場合では・・母さんの前でそんな・・。

冷や汗をかきながらDIOと後方にいるジョナサンの
顔を見比べる。ジョナサンの表情は伺い見れない。
それは承太郎とジョセフの後ろにいるからという理由だけではない。

ジョセフ
「避難するか?承太郎。」

承太郎
「その方がいいみたいだな。」

ひしひしと後ろから伝わってくる殺気に耐えられなくなったのか
ジョセフと承太郎がさっとその場を離れると、まるでサーカスでの
余興で、門が放たれそこから獅子が飛び出るが如く
ジョナサンがDIOに襲い掛かる。

ジョナサン
DIOォおおおおおおお!!!

寝不足とは思えないくらいのジョナサンの拳闘が始まって
十分後・・・。嫉妬の力を思い知らされたDIOは
見事に床に突っ伏していた。因みにその間、他の皆は
ただ静かに、成り行きを見守ることしかできなかった
のは言うまでもない。

承太郎
「南無三・・・・。」

DIO
「勝手に殺すな、ふゥ・・今のはちょっぴり
 驚いたぞ・・。おかげで百分の一の体力が減った。」

ジョセフ
どんだけ体力あんだよ!!

ジョナサン
「DIO!!君って奴はどこの女性と!!」

半泣きしながら、DIOに掴みかかろうとした
ジョナサンをジョルノが必死で止める。
最初はDIOを誤解して、軽はずみなことを
言ってしまったが、どうも何かが違うようだ。
取り合えず落ち着くようにジョナサンを宥める。
一方のDIOはやれやれと言った感じで話を続ける。

DIO
女?いつの話だ?いつの時代でいつの日で
 いつの時間か限定してくれないと
 答えられない。何しろ相手が多くてな。
 因みにおまえと結婚してから女は相手にしてない。
 ・・・そんな事より、このブラだが・・。」

承太郎
「よく、あんたの子孫ジョルノだけで済んだな。」

DIO
「ん?いや・・他にもいるんだ、あと三人。」

ジョナサン
初耳だよ!なんで彼らも呼ばなかったんだい?

何気なく言ったDIOの爆弾発言に皆は耳を疑う。
その中でも驚いたのはジョナサンとジョルノだろう。
特にDIOはジョナサンには、息子はジョルノだけとしか言っていない。
これは一体どういうことなのだろう。当然の疑問に
まずジョナサンよりも先にジョセフがツッコミを入れる。

ジョセフ
「好みじゃないからじゃないの?不細工とか。」

そういえばDIOは最初ジョルノの写真と他の敵の写真と勘違いをして
好みじゃないから、育てないという非情な言葉を放っていた事があった。
そんな彼ならそれもあり得ると、ジョナサンは、なるほどと
勝手に納得してしまう。ジョルノもなんとも複雑な表情でDIOを見ていた。

DIO
「俺の息子に不細工なのは一人もおらん。
 だが好みじゃないのは当たってる。
 俺は見た目もそうだが、それ以上に中身にも
 煩くてな・・・。俺の息子に悪党はいらん。
 てゆーか中身が俺似の息子はいらない。俺は
 ジョナサンラブなんでな、ジョナサンの性格を強く
 受け継いでいる子供がいいんだ。あ、勘違いするなよ
 ジョルノ。お前を好きな理由はそれだけじゃないから 
 って、聞いてないな。ふっ、つれない所は
 ジョナサンそっくりだ・・・。

さらりと妻子ラブをアピールしたDIOだったが
ジョナサンとジョルノに華麗にさらりとかわされてしまう。
ジョルノはいつの間にとったのか、DIOの持っていた
ブラジャーを皆に間近で見せる。仕方がないので
DIOもみんなの輪に近づいて、会話に交じることにした。

ジョルノ
「母さん、これ女性のじゃないです。」

ジョナサン
「え?」

ジョルノ
「胸の所・・その・・平たいです。」

DIO
「貧乳女の物かと思ったが・・・。」

ジョナサン
「DIO!!女性に対してなんて
 差別的な発言をするんだ!」

承太郎
「でも、待てよ。ブラだろ?ブラって女の物だろ?」

ジョセフ
「いや、俺聞いたことがある。男のブラも
 あるんだってさ。」

承太郎
「考えられねーな・・・。正気の沙汰じゃねェ・・。」

ジョルノ
「承太郎さん、それは少し言い過ぎかもしれません。
 確かに・・その・・いかがわしい趣味でつけている人は
 そうみられても仕方ありませんが、性同一性障害の人とか
 が着用する場合もあるんですから・・・。」

承太郎
「そうだったな、少し軽率だった。院長じゃあるまいし。

DIO
誉め言葉としてうけとっておこう。

ジョナサン
少しは恥じなよ!

ジョルノ
「他にも、下着会社の男性社員が女性の気持ちを理解しようと
 つける場合もありますし、気を引き締めたいからと
 つける人もいるそうです。」

ジョセフ
「あ、それと乳腺の異常がある奴が付ける場合も
 あるみてーだぜ、分泌物が出ちゃったりする時に
 シャツとか汚さないために。」

承太郎
「おい!」

ジョセフ
え?あ・・あら・・・?

承太郎が険しい顔をして、隣のジョセフをつつく。人間は
色々なうんちくを知っているとつい調子に乗ってペラペラ
喋ってしまうものである。しかしはなしている内容と聞いている
人間に良くない要素がある場合は注意しなければならない。

DIO
「くっくっく・・乳腺の異常か。なるほどな。
 ジョセフ、お前もたまにはいいこと言うではないか。」

誰が見ても悪だくみを考えているようにしか見えない笑みを浮かべ
DIOが皆の胸を舐めるように見回す。皆はとっさに
女性でもないのに胸を隠し始める。

DIO
「乳腺チェックが必要だな・・・。全員乳首を出せ。」

承太郎
この馬鹿!!何とかしやがれ!

ジョセフ
「ちょっと待ってよ!それ俺達のじゃねーよ!!
 ここの患者のじゃねーのか!?そっち調べろよ!」

DIO
無駄だ。

ジョセフ
「何でだ!」

DIO
俺が嫌だからだ。ここの患者はぶさいくが多い。」

承太郎
「それで納得すると思ってんのか!!」

ジョルノ
「分かりました・・自分で触って調べます。
 それでいいでしょう?」

DIO
ダメだ。

ジョルノ
「何故です!」

DIO
「自分で触診ができる位なら医者はいらん。
 ふむ・・・ふむ・・なるほど・・・
 ふふふ・・・興味深い・・・。」

ひとしきり皆に絶望を味合わせると、今度はスマホを
いじくりまわして何かをじっと見て一人で感心し始める。
何を見ているか分からないが、どうせ伏線だろうと皆は
顔を見合わせそれぞれ警戒し始める。

承太郎
「何だよ・・人の話も聞かないで
 スマホなんか見やがって・・・・。」

DIO
「どうやらこの病気、胸の大きな奴に
 深く関係があるらしい。みんな・・・
 胸が大きいよなァ・・?」

何を言い出すかと思ったら、DIOは突然皆の胸の
大きさを指摘する。確かに彼はそこらの平均的な男性に
比べると胸が大きい。ジョナサンなんかは大きな胸の
せいで、ワンサイズ大きなシャツを着ているくらいだ。
しかし、これは病的なものではなくただの肉付きの問題だ。
勿論DIOにはそんなことは分かっているが、これほど
都合のいいきっかけを使わない手は他にない。

ジョセフ
「馬鹿やろう!!これは胸筋だ!!
 俺らは逞しいだけなの!!」

DIO
「いいや、それにしては大きすぎる。」

承太郎
「そんなこと言ったらあんただって
 そうだぜ?」

DIO
「そうだな、なら調べてもかまわんぞ。
 触診するか?俺は別に誰にされても
 構わないぞ?くっくっく・・・。」

承太郎
「く・・・。」

ジョセフ
「じゃあ、俺、副院長にしてもらう!!」

困った時のジョナサン頼みではないが、ジョセフがジョナサンを推薦する。
無論彼なら真面目に調べてくれるからだ。皆も同じ気持ちなのか
一斉にジョナサンを見る。一見DIOの野望は打ち砕かれたように見えるが
何故か彼は余裕の表情を浮かべていた。対照的にジョナサンは少し
困った表情を浮かべていた。

ジョナサン
「え?ぼ・・僕がかい?べつにいいけど・・。
 ど・・どうやってすればいいんだろう・・。」

DIO
「聞いたか?ジョナサンではダメだ。
 俺に任せろ。胸を触るのは慣れているんでな。
 なあ?ジョナサン・・・お前なら分かるはずだ。」

ジョナサン
ぶっ!!なななななんてことを
 言うんだ!!こんな時に!!

DIOの遠回しなセクハラ攻撃に顔を赤くして必死に抗議をしている
ジョナサンに申し訳ないと思いながら、三人はひそひそと
解決策を話し合う。何としてもDIOの野望を止めたいのは
皆だって同じことだ。

ジョルノ
「(ジョセフさん、承太郎さん!これの持ち主を
 探して、父さんの触診から何とか逃れられないでしょうか。)」

ジョセフ
「(それな!)おい、院長!このブラの持ち主が
 わかればいいんだろ!?今から探しに行くから待ってて・・。」

DIO
「ああ、構わんぞ。だがお前らの胸は調べる。
 気になって仕方ないからな。」

承太郎
・・・どう落とし前つけるつもりだ?

ジョセフ
「・・・決まってるだろ・・に〜げるんだよ!!

承太郎
「結局それかよ・・。だがそれしかねーみたいだな・・!」

DIOにどんな説得も無駄だと感じた三人は逃走を試みる。
いつものお決まりのパターンで、いつものお約束な最後が待って
いるかもしれないが、されるがままも腹が立つ。そんな三人の
必死の思いが伝わったのか、ジョナサンがDIOを背後から
羽交い絞めにして皆の血路を開く。

ジョナサン
「ジョルノ!逃げるんだ!」

ジョルノ
「かあさん・・すいません!」

DIO
「ジョナサン・・・案の定阻止しに来たか・・。」

ジョナサン
「当たり前だ!君のセクハラ(やぼう)を止めるためにね!」

DIO
「じゃあ、お前からするか・・・。」

ジョナサン
「は!!?何言ってるんだ!君、おとといの夜だって
 僕の胸を・・・ゴニョニョ・・だ・・だから
 大丈夫だって知ってるだろ!?」

DIO
「一昨日は一昨日、今朝は今朝だ。」

厭らしく低い声で言われ、ゾッとして
ジョナサンは思わずDIOから身を離す。
そして今度はジョナサンがDIOに囚われる番になる。

ジョナサン
「や・・止めるんだDIO・・・・。」

DIO
「指と、舌とどっちがいい?」

ジョナサン
「指は分かるけど舌って何だい!!」

DIO
分かった、舌にする。

ジョナサン
承諾してないぞ!!!

DIO
「ふ・・・関白宣言をしたこの俺に
 承諾だと・・?そんなものお前にする権利はない!」

ジョナサン
き・・・君って奴は・・!

じりじりと追い詰められ、とうとう壁に逃げ場を塞がれてしまう。
DIOは逃がさないように更に両手を壁につき、
片膝を壁にめり込ませ、完全にジョナサンの退路を断つ。
そして少し震えるジョナサンの耳元に低い声で囁いた。

DIO
「ゆっくり弄って吸ってやるから覚悟しろ・・・。」




              番外編
【「DIO三人息子はイケメン揃い?」訂正小説】

DIOとジョナサンと医療メンバーが戦う数十分前の事。
DIO以外のメンバーが休憩室で短い休息を
取っていた時の事だった。


承太郎
「ほらよ副院長、頼まれたもん持ってきたぜ。」

ジョナサン
「ありがとう!一度見て見たかったんだ!」

ジョセフ
「なになにー?俺も見ていーい?」

ジョルノ
「写真のようです。全部で三枚あるようですね。」

ジョセフ
「え?誰、誰?カワイ子ちゃん?って・・
 なんだ、ヤローか・・・。しっかし
 どいつもこいつも個性的なナリしてやんなー。」

承太郎
「妙な奴らと言いたいのか?」

ジョセフ
「え?まあ、そうともゆーわな。」

承太郎
「だとよ、副院長。」

ジョナサン
「そ・・・そうかな(困)」

ジョセフ
え・・?

ジョルノ
「・・・この人たちは父さんの息子。つまり
 僕の兄弟で、もちろん母さんの息子でもあります。
 ですからジョセフさんや承太郎さんの親せきにあたります。」

ジョセフ
あーーーー・・・。すんません・・・。

ジョナサン
「ははは、いいよいいよ。本人たちを目の前にして
 言ってる訳ではないからね。それにしても
 そんなにみんな個性的かい?どれどれ・・・。」

ジョルノ
「この人はリキエルと言うんですね、母さん・・
 というかジョースター家の血の方が濃く感じます。」

承太郎
「ちょっと、この馬鹿に似てるかもしれねーな。」

ジョセフ
「えーー?そう?俺の方がいい男じゃね?
 ・・ってお前今俺の事なんて言った?

承太郎
「仗助のセリフパクるんじゃねーよ。」

ジョナサン
「彼はヴェルサスか・・・うーーーん、彼は
 どちらかと言ったらDIO似だなァ・・・。」

ジョルノ
「微妙ですね、瞳はどちらかと言えばジョースター側の
 ほうを感じますが・・・。」

承太郎
「最後は・・・ウンガロ・・・。」

ジョセフ
おい、誰だよ。関係ねー奴の写真入れたの。

承太郎
「ウンガロはこいつであってるぜ。」

ジョセフ
「え?」

ジョルノ
「・・・・・・・。」

ジョナサン
「・・・・え?彼は・・・どっちに似たんだろ。」

ジョルノ
「この人の母親似・・なのでしょうか。たしかに母さんにも
 父さんにも似ていませんね・・・。」

ジョセフ
・・・・この顔・・事故ったの?

ジョナサン
「ジョ・・・・ジョセフ!人の顔の事を
 悪くいっちゃいけないよ!?」

承太郎
「そうだぜ、あのDIOでさえ、俺の息子に
 不細工は居ないっていったんだ。お前が
 それをいっちゃあDIO以下の神経って事になるぜ。」

ジョセフ
ぶ・・・不細工とは言わねーけど・・・。
 その・・超個性的な顔だなって・・・・。

DIO
「誰だ?俺の悪口をいったのは。」

ジョセフ
ギャー―ス!!首に爪を立てないでーー!!
 あーーー!血がーーー!!

承太郎
ぐわぁああああ!!誰に断って
 吸血してるんだ!てめー!

ジョナサン
「DIO!何やってるんだ!吸血行為は禁止だぞ!!」

ジョルノ
「そうですよ?それに承太郎さんは父さんの事
 褒めたんですよ?自分の息子達を誇りに感じてるって。」

DIO
「息子?お前の事か?それとも俺の自前の息子か?
 そりゃあそうだ、どちらも優れているのは
 一目瞭然じゃあないか。」

ジョルノ
そんなものと比べないでください。複雑です。

DIO
「お前こそ、俺の逞しい息子をそんなもの呼ばわりするな。
 なあ、ジョナサン。これがどんなに素晴らしいか
 ジョルノに教えてやれ。」

ジョナサン
悪魔の棒だよ!

ジョセフ
「分かりやす・・・・・。」

DIO
「それ程危険な魅惑を秘めているという事だ。
 どうだ・・?興味がわいたか?」

ジョルノ
なるほど、君子危うきには近寄らずですね、わかります。

承太郎
「わりーが、俺は猥談は嫌いなんだよ。猥談続ける気なら
 あっち行ってくんねーか。」

DIO
「ジョセフは好きだろ?ククク・・・。」

ジョセフ
アンタ絡みはちょっと!!

ジョナサン
「DIO!今君の息子たちの写真を見てるんだ!
 承太郎のいう通り邪魔しに来たのならあっちに行ってくれ!」

DIO
「俺の息子・・?ジョルノ以外のか?確か名前は
 リキエル、ヴェルサス、ウェザーリポート・・。」

承太郎
百年も眠ってボケたのかよ。ウェザーリポートは
 プッチの兄弟だろうが。」

DIO
「何だと?てっきりあの三人かと思ってたぞ。」

ジョルノ
「もう一人はウンガロさんです。」

DIO
「知らんな。誰だ?写真を見せてみろ。」

ジョセフ
「はい、こいつだよ。アンタ、こいつを見てどう思う?」

DIO
すごく・・・不細工だ・・・。

ジョナサン
「DIO!!君は前に自分の息子たちに不細工は
 おらんって言ったじゃないか!」

DIO
「ああ、言ったな。少し訂正しよう。俺の息子はあと
 二人いるが不細工はおらん。

承太郎
一人をいなかったことにしてやがる・・・。

ジョナサン
「DIO!!見損なったぞ!人を・・・っていうか
 自分の息子を顔で判断するなんて!!」

ジョルノ
そう言えば父さんは、僕の写真を敵の誰かと
 見間違えた時、僕を引き取るのを止めようとしたらしいですね。

DIO
「そんな大昔の事、覚えておらんな。」

ジョルノ
まだ半年もたっていませんが?

ジョセフ
「だけど、不思議だよな・・・あんたって
 女を容姿だけで厳選するタチだと思ってたけど・・・・。」

DIO
「はっ・・・!!そうだ!それだ!!」

承太郎
ぐわっ!!てめーー!人の肩に
爪を立てるんじゃねー!

DIO
悪かったな、仕返しに俺の背中に爪を立てるといい。

承太郎
それ以上キメェこというならスタプラお見舞いするぜ。

ジョルノ
「それはそうと、何が「そうだ、それだ!」なんですか?」

DIO
「うむ・・・俺は女は美人しか相手にせん。それが
どんな状況にあってもだ。しかしこいつの顔を見ろ。
俺やジョナサンの美貌を一つも受け継いでないではないか。
つまりこいつは母親に似たのだ。しかしさっきも言ったが
俺は美人しか相手にしない。つまり、こいつの母親は
美人になって俺に近づいたという事だ。早い話整形して
俺に近づき騙したのだ。けしからんと思わんか?」

ジョナサン
思わないよ。君だって女性たちを散々裏切る真似を
 したじゃないか。たかが数回君を騙す事くらい
 罪でも何でもないよ。」

DIO
「裏切るとは?言っとくが俺は自分から
 女どもに愛していると言ったことがないぞ。
 女の方が勝手に近づき俺を求めるのだ。
 俺は来るもの拒まずでな、美人に限るが。」

ジョナサン
何て男だ!君は!

ジョセフ
早い話、同性から見てもムカつくタイプだな。分かるぜ。

DIO
こうやってすぐ、俺の美貌に妬くものがいるから困る。

ジョナサン
「それで君は彼らをどうしようと思ってるんだい?」

DIO
「俺の二人の息子のことか?」

承太郎
どうしてもウンガロだけは認めたくねーみたいだな。

DIO
「いや・・・整形してくれば息子として受け入れて
 やらなくもない・・。出来にもよるが・・・。

ジョナサン
「DIO!!いい加減にするんだ!人間は
 顔じゃないんだよ!?彼は顔は・・・その・・
 個性的だけど・・性格はとても美しいのかもしれない!
 そうだよね!みんな!」

DIO
「因みにこいつの性格はねじ曲がっている上に薬中・・・
 態度も言葉使いも悪いらしい。残念だがいい所が見つからんな。」

ジョナサン
「それは君が育児放棄したからだぞ!!本来なら父親の
 君が息子たちを幸せにする義務があると言うのに!」

DIO
「ならジョルノはどう説明するのだ?悲惨な
 家庭環境で育ちながらも心も体も顔もこのように美しい。」

ジョルノ
お尻を撫でないでください。G・Eかましますよ?
 僕はたまたま手を差し伸べてくれた人がいたから
 まっすぐに生きてこれたんです。あのままあの人に
 会えなかったら、僕も彼らのようになってたかもしれません。」

承太郎
ジョルノは副院長の遺伝が強く出たんだろうよ。

ジョセフ
そんでこのウンガロってのは院長の血を
 濃く受け付いたんだろ。主に中身が。

DIO
どういう意味だ?んん・・・?

承太郎
おい!手をワキワキさせんじゃねェ!何をする気だ!?

ジョセフ
副院長ーーー!!院長がパワハラとセクハラを
 同時にしようとしてます!!

ジョナサン
「DIO!!そう言うのを逆ギレって言うんだよ!
 たまにはみんなの意見を真摯に受け止めるんだ!」

DIO
「・・・偉そうに・・。この際だから俺もはっきり言うぞ
 ジョナサン。誇り高い紳士の血を引いているはずの
 お前らの子孫は少しづつ劣化していってるではないか。
 ジョセフはヤンキー、承太郎もヤンキー、仗助もヤンキー
 ジョルノなんかギャングのボス、徐倫もヤンキー。
 辛うじてあとの二人は普通だが、いったいこれは
 どういうことなのだ?言っとくがジョルノ以外は
 オレの遺伝を受け継いでいないぞ?」

ジョセフ
「俺はヤンキーじゃねーよ。ちょっとやんちゃだけど。」

承太郎
嘘つけや。おめーのおふくろさんに全部聞いたぜ。
 仲間は殴るわ、退学になるわ、警察のお世話になるわ。
 それが一度や二度じゃねーって言ってたぜ。
 俺の上をいってんじゃねーか?

ジョセフ
うるせーな!真のヤンキーは黙ってろ!
 お前なんか、まんまヤンキーじゃねーか!

ジョナサン
「・・・・・・・・・。」

ジョルノ
「母さん・・・何だかすいません・・・。
 ギャングのボスになってしまって・・その・・。」

ジョナサン
・・う・・ううん。いいんだ・・皆、根はまっすぐに
 育ってくれたから・・・。

DIO
「謝ることなんてないぞ、ジョルノ。コイツだって
 偉そうなこと言ってるがな、ボンボンのくせに
 賭け事はするわ、ガキのころにたばこは吸うわ、
 カエルを苛めるわ・・・。」

ジョセフ
「え・・・?副院長が?院長がじゃなく・・?」

承太郎
「・・・ちょっとだけ驚いたぜ。」

ジョナサン
ちょちょちょ・・・!!何を言い出すんだ!!

DIO
「ほう?俺が嘘を言ったとでも・・?」

ジョナサン
う・・・嘘じゃないけど・・・。嘘じゃないけど・・・。
 き・・君の方があくどい事してるじゃないか!!」

DIO
「それは認める、しかしお前もあくどい事はしてたよな?」

ジョナサン
「それは・・た・・たまにであって・・・。」

DIO
「たまになら悪行をしたことにならないと?」

ジョナサン
う・・・・・いいえ・・・。ぼ・・僕も
 悪い奴でした・・・。

DIO
「聞いたか?だからお前らも心配するな。
 お前らが不良なのはジョナサンの隠れたあくどい
 ところが遺伝として受け継いだからなのだ。
 分かったか?分かったら早く逃げろ。」

ジョルノ
「逃げろ?なぜ逃げなきゃならないんです?」

DIO
俺にあんなことやそんなことされたいんなら
 構わんが?お前ら、胸の触診の途中だったって
 事を忘れていないか?

ジョセフ
げっ!忘れてた!って・・承太郎がいねーー!
 あいつ!本当に抜け目のない奴だぜ!

DIO
「お前だって同じだろ。そこだけはジョナサンに似てないな。」

ジョナサン
悪かったね!!

ジョルノ
「母さん・・・・。」

DIO
ジョルノはどっち似だったかな?抜け目のない所は
 母さん似か?父さん似か?

ジョナサン
舌なめずりしながら迫るな!!ジョルノ!
 君は・・悔しいけど機転が回る所はDIO似だよ!
 僕が引き止めるから早く逃げるんだ!

ジョルノ
「母さん・・御免なさい!」

DIO
「そうか、やはり最初にお前が俺の「愛」を
 受け止めてくれるのだな・・・。ククク・・・。」

ジョナサン
愛とセクハラを一緒にするな!!・・・そんなことより
 三人の息子の事は今後どうするつもりだい!?

DIO
そんなの保留だ。

ジョナサン
それでも父親か!

DIO
「今俺が愛している息子は、ジョルノと・・・・。」

DIO
この俺の下半身を熱く燃え滾らせている
 自慢の息子だァ!・・・ジョナサン・・・
 お前だけはセクハラだけで済まさん・・・。
 このDIOが直々にお前を犯る!・・・
 ふっ・・・・懐かしいセリフだ・・・。そう思わんか?

ジョナサン
思わん!!っていうか思い出したくもないよ!!



後編(次回)へ続く。




続く

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