DIOが入れた緑茶割りウオッカを謝って
飲んでしまった承太郎とジョセフ。
ジョナサン(の尻)はディオの枕代わり。
一体これからどうなってしまうのだろうか。


呪いのこけし事件後編

 
ジョナサン
「DIO・・・なぞ解明はいいけれど、どうするの?
 まともに考えられるのは僕だけだし、解明するにしても
 色々と聞きまわらなければならないんじゃないの? 」

DIO
「そうだな、お前に動いてもらうしかないな。
 ジョセフはあれだし、承太郎も腰砕け状態だ。
 いつものように知恵も回らんだろう。」

承太郎
「・・・馬鹿にすんな・・・。
 確かにまともに歩けねーけど・・・
 一緒に考えることくらいできるぜ・・。」

ジョナサン
「承太郎、大丈夫なのかい?無理しちゃダメだよ。」

承太郎
「確かにいつもより頭の回転が鈍くなってるし、ちょっと
 ふら付くが・・・・大丈夫だぜ。とにかく事件の真相を
 知りたいのは俺も同じだ・・・。ただ・・やっぱり
 ジョナ兄にどうしてもパしらせちまうことにはなるがよ。」

ジョナサン
「それはいいんだ。それは・・・・。(チラ見)」

ディオ
「すうすう。」

ジョナサン
「DIO、先生だろ?協力してよ、まったく
 無関係とか言わせないからね。」

DIO
「仕方ないな、だが弟は一度決めたら意思を変えない男だ。
 お前を引っ張り出した後の事を考えんと・・・。」

ジョナサン
「僕の代わりの物があればいいんだろ?
 あ、この枕がいい・・。よいしょ・・・。
 はい、これを枕にして。お尻よりずっといいでしょ。」

DIO
「・・・・・・そうまくいくかな?」

ディオ
ジョナサンーーー!!
なんだこれは!
この俺が枕ごときで
眠れるかーー!

ジョナサン
ええーーー!?

DIO
「だから言ったろ?早く戻れ。」

ジョナサン
「どうするんだよ!!これじゃ僕、出歩けないじゃないか!!
 て・・・もう寝てるし・・・ディオ本当に寝てるの?」

DIO
「代わりの尻があればごまかせるかもしれんな・・。
 お前の尻のデカさに近いのはジョセフか・・・。
  ところでジョセフは?」

ジョセフ
「わかめ―わかめ―♪ピンクのわかめーー。」

承太郎
「カーズの髪で遊んでるぜ・・。あんた良く冷静でいられるな。」

カーズ
「俺は動物と悪気の無いお馬鹿の悪戯には
 腹を立てん事にしているんでな。だがこいつを代わりにするのは
 止めておけ。きっとじっとしていられないからな。」

DIO
「とすると・・・承太郎しかいないが・・・
 ジョナサンに比べるとどうしても小尻だからな・・・。」

ジョナサン
悪かったね!!さっきからチクチク痛い(嫌味が)んだけど!!

承太郎
「座布団をしたにしいて、ボリュームを上げたらどうだ。」

DIO
「弟の頭センサーを舐めんほうがいい、肉付きですぐばれる。
 まったく・・・お前がもう少し尻がデカければ問題ないのに・・。
 ジョナサンほどでかくしなくてもいいから・・・。」

ジョナサン・承太郎
関係ないだろ!!

DIO
「・・・・仕方ない・・・承太郎。お前に今は恨みはないが
 ジョナサンの為に少し耐えてくれないか?役に立ちたいのだろ?」

承太郎
「ああ・・・と言いてぇ所だが何するんだよ・・・。

DIO
「お前が兄思いだという事はとてもよく知っている。
 お前が辛抱強い奴だという事もな。」

承太郎
「だから何を・・・・。」

DIO
「一発で終わらすから安心しろ。少し酔いもさめるかもしれん。」

承太郎
「ちょ・・・・。ギャー――――ス!?

カーズ
「承太郎のギャースか初めてだな・・・。」

ジョナサン
「DIO!!なんてことを!承太郎!大丈夫かい!?」

承太郎
「・・・・・!!(言葉に出来ねぇ・・・・!)」

DIO
「よし、このくらいの腫れなら大丈夫だろう。
 早くしろ、ジョナサン。腫れがひいたら弟に気付かれる。」

ジョナサン
「じょ・・・承太郎・・・・。」

承太郎
・・・・ジョナ兄、俺のケツの犠牲を無駄にしないでくれ・・。

ジョナサン
「ご・・・ごめんよ、必ず答えを見つけてくるから!」

ディオ
「すうすう。」

承太郎
殴りたいぜ・・・この寝顔・・・。

ジョセフ
「承ちゃんオットセイ!あうあう!」

承太郎
おめーはもっと殴りてぇ!!

カーズ
「許してやれ、今のジョセフは悪気の無い小さな子供だ。
 ジョセフこっち来い。菓子をくれてやるぞ。」

ジョセフ
わーーい!

承太郎
悲しくなってきたぜ・・・・。

DIO
「ジョナサン行くぞ?」

ジョナサン
「DIOも行くの?」

DIO
「お前だけじゃ、本題に切り出せなさそうだからな。
 弟は寝てるしカーズは行く気がないみたいだし。」

カーズ
「悪いな、これ(ジョセフ)と遊んでいる方が楽しいのでな。
 ジョセフ、さっきのウナギ持ってこい。」

ジョセフ
「らじゃーー!」

ジョナサン
「へ・・・変なことはしないでよ!?」


こうしてDIOとジョナサンは部屋を出て仲居たちに
心当たりがないか遠回しに聞いてみる。
だがこけしの事は後回しにして取りあえず新しく来た
客について尋ねてみることにした。
詳しい個人情報以外ならという条件付きで仲居は
ぽつぽつと話し始めた。
仲居が言うには最近若い男性客が四人ほど来たらしい。
DIOが特徴を尋ねると、どうも美少女アイドルの
おっかけっぽい感じが見受けられたという。
ただの偶然で北海道に来たのか、それともアイドル関係で
ここに来たのか、仲居には当然判らないようだ。
ただ若い連中なら何か判るかもと、呼びに行く。
一方手際よく話を進めるDIOにジョナサンはくぎづけになっていた。

DIO
「どうした?惚れたか。」

ジョナサン
「どうしてそうなるんだ!ただ・・さすが大人だなって。」

DIO
「嬉しくない褒め方だな、横顔が渋くてキュンとしたとか
 メチャクチャにして欲しいくらい頼もしくて
 素敵とか言ったらどうだ。」

ジョナサン
死んでも言わないよ!

DIO
「死人に口なしだ、言えるか馬鹿め。お・・来たな・・・。
 いかにもミーハーそうだな・・・。」

仲居A
「お待たせしましたー!今日も素敵ですね!生徒さんたちは可愛いし。」

DIO
「どうもありがとう。それで・・・・。」

仲居B
「ええ、聞きました。アイドルグループの事ですよね。確かに
 この辺でコンサート開くみたいなんです!」

仲居C
「結構人気なグループなんですよ、まあ私たちはファンじゃ
 ないんですけどー。やっぱり男の子たちの方がいいもんね。」

仲居A
「この辺の宿とか結構一杯らしいですよ?その子たちのファンが
 遠路はるばる来るので・・・。」

仲居C
「ただ、うちはもう先約が一杯入っているので断っているんです。
 ここに来たファンの人たちもキャンセルが一つあったんで上手く
 滑り込めだんじゃないのかな。」

DIO
「そのアイドルグループの泊まっている所に心当たりはあるか?」

仲居B
「えーー?興味あるんですか?相手は子供ですよー?」

DIO
「そうではない。俺は子供には興味がないんでな。」

ジョナサン
「・・・・・・・・。(ー_ー)」

仲居B
「よかったー、でもその事なんですけど・・・。
 アイドル達の泊まり先って極秘事項になっていて
 どこかとか判らないんです。例えうちに泊まっていても
 他のお客さんに漏らすことは絶対できないんです。
 やっぱり行き過ぎたファンとかが迷惑をかけてしまうから
 事務所が神経使うんでしょうね。」

仲居C
「ストーカーとか!怖いもんね!」

DIO
「ふむ・・・ありがとう・・・。」

仲居A
「えー、もういいんですか?もっとお話しましょうよ!
 あ・・・それから先生たち素敵だから極秘に教えますけど・・。
 この宿にアイドルの子たちは泊まっていません・・・。
 内緒にしてくださいね・・・・?うふふ。」

仲居C
「でも、先生や生徒さんだって、十分アイドルでやっていけるのに
 勿体ないですよね!!いつも話しているんですよ?
 絶対アイドルとしてやっていけるって・・・・!」

DIO
「はははは、考えてみるよ。それでは時間を取らせて済まなかったな。」

仲居B
「先生たちデビューしたら教えてくださいね!ファンになるから!」

ジョナサン
「DIO・・・何考え込んでるの?」

DIO
「今ので大体謎が解けた・・・。勿論憶測だがな・・・。」

ジョナサン
「えーーー!?凄いね!でも一つ聞いていい?
 僕、必要なかったよね・・・・。」

DIO
「まあな、でも皆には秘密にしておけ。」

ジョナサン
「どうして?」

DIO
「承太郎の尻の犠牲を無駄にする気か。」

ジョナサン
「・・・・ごめんよ、承太郎。」


一方ジョナサンとDIOのいない部屋では。
相変わらず幼児化したジョセフが一人騒いでいた。

ジョセフ
「せんせ、せんせ!このウナギなんでこんなに短いの?
 赤ちゃんだから?」

カーズ
「どうしてだろうな、トカゲのしっぽきりみたいに
 自分で切って無くしてしまったのかもしれん。」

ジョセフ
「えーーー!なんか可哀想だ!」

カーズ
「探してやれ。」

ジョセフ
「よーーし!」

承太郎
「・・・・・・・あんた子供の扱い上手いな。
 本当に子供いないのかよ。」

カーズ
「人のプライベートな部分に首を突っ込むな。
 ご想像にお任せする。俺はただ無邪気なものが好きなだけだ。」

ジョセフ
「承ちゃん、ちょっとどいて。」

承太郎
「なんだと!?・・・ああ、どきてーよ。
 だがな!どうしてもどけない理由があるんだよ!」

ディオ
「すうすう。」

承太郎
「(くそ・・・まだ酔いが冷めねーのかよ。)・・て
 何してやがんだ!馬鹿兄!人の浴衣の裾をたくしあげて!」

ジョセフ
「うーんここにはいないなー・・・。」

承太郎
「おい!裾を下ろしていけ!ち・・仕方ねーな。
 て・・・ディオの野郎の腕が・・・!
 これじゃ・・・裾を下ろせねー・・・ま・・
 DIOがいないだけでもマシか。」

DIO
そういうのをフラグだというんだ、いい眺めだな。

承太郎
畜生!!

ジョナサン
「承太郎!お待たせ、大体わかったから交替しよう!」

承太郎
「ああ・・・助かる・・尻が地味に痛ぇんだ・・よっと・・。
 で・・・判ったのか?」

ジョナサン
「うん、殆どDIOのお陰だけどね。」

DIO
「俺は頼もしいからな。」

承太郎
「先公なんだから当然だろ、ぜってー褒めねーからな。
 で・・・どうなんだ?」

ジョナサン
「えっとね・・・あれ?ジョセフ?どうしたの?
 ディオを見つめて・・・ああっ・・ちょ!!」

ジョセフ
「ここだっ!むぎゅっ!」

ディオ
「△○?■※!!!!!????」

DIO
「・・・・やらかしてしまったな・・・・。」

ジョセフ
「これじゃない、あったかいもん。ウナギは冷たいから。
 それになんか、フニャフニャしてた。」

カーズ
「よく違うと判ったな、なかなか利口じゃないか。
 ほら、新しい菓子だ。(他人事)」

ジョセフ
「わーい!」

承太郎
「フニャフニャ・・・・。」

ジョナサン
「あの・・・・。」

ディオ
・・・・・今のはジョナサンだな?
俺の股間をぎゅっと握ったのは
お前だな・・・?

ジョナサン
いや・・その・・・あの・・・。」

承太郎
「違うぜ、それは馬鹿あ・・・・。」

ディオ
「ジョセフなら、向こうでカーズに菓子を貰っているじゃないか。
 承太郎も兄さんと遠くにいるし。
 ジョナサン以外なら俺の怒りを買わなくて済むと思って
 嘘を言ったんだろ・・・?それともジョナサン、本当に
 ジョセフのせいか・・・?アイツに罰をあたえてもいいか?」

ジョナサン
「ぼ・・・僕だよ!!でもわざとじゃ・・・!」

ディオ
「しかも、人をフニャチン呼ばわりとは・・・
 すごい度胸だな・・・・。んん!?
 フニャチンじゃない所を見せてやろうか?ああ?」

承太郎
「待てよ!フニャフニャって言ったのはお・・・。」

DIO
「よせ、これ以上は弟の怒りを買うだけだ。
 ジョナサン、これも長兄の運命だ、耐えろ。」

承太郎
「ジョナ兄!!はなせ!DIO!(ってどこ触ってんだ!
 生徒にこんなことして許されると思ってるのかよ!!」

DIO
「心配しなくてもこんな所で犯るほど弟は野暮じゃない。
 ちょっとしたセクハラをするだけだ。弟よ、
 手加減はしてやれ、それと他にも子供がいるんだ。
 あまり刺激的なことはするな。」

ディオ
勿論・・・・俺も一応、先生の立場だ・・・・。
 ジョナサン・・来い・・・文字通り可愛がってやる。

ジョナサン
わァーーーー!!

承太郎
「逃げろ!ジョナ兄!くそ・・・・馬鹿兄のせいでメチャクチャだ。
 いや・・・違ったな、DIOが!酒なんか!
 注いだからだよな!

DIO
「これだから反抗期は・・難癖付けて大人のせいにしたがる。
 ま、そんな事より俺の憶測だが、今この宿に美少女アイドルの
 追っかけが四人泊まっているらしい。俺はその四人が怪しいと思う。」

承太郎
「待てよ・・・・そいつら美少女好きだろ?
 何で男の俺たちの部屋に置く必要があるんだ?」

DIO
「お前らが起きていた時はなかったと言っていたな?
 つまりお前らが寝ているうちに置かれたんだ。
 ちなみにお前ら、電気はつけずに寝るんだろ?
 アイドルグループは三人らしい、お前らも三人だ。」

承太郎
「三人は三人だが・・・。それだけでそんなモン
 置けるか?普通・・・その憶測は少し強引すぎじゃねーの。」

DIO
「まあ、話を聞け、仲居たちが言うにはアイドルは
 極秘でコンサート会場の近くの宿に泊まることがあるそうだ。
 追っかけファンからしたら、もし自分らの泊まる宿に
 アイドル達も泊まっていたら、そりゃあめっけものだろ?
 勿論、宿の従業員からそれを聞き出すことはできない。
 だが、もし従業員たちがそれらしい噂をしていて、
 それを耳にしたらどうだ?」

承太郎
「そりゃそうだが、それと俺たちにどんな関係が?」

DIO
「仲居達が俺達やお前たちの事をよく「アイドルみたい」とか
 「素敵」だとか「かっこいい」とかよく噂しているらしい。
 あ、因みにお前たちの事は可愛いとか言っていたな、
 かっこいいは俺たちの事だ、勘違いしないでよね。

承太郎
誰得だよ!そのツンデレは!

カーズ
「・・・成程・・・俺は判った。可愛いアイドルみたいな子が三人いる。
 そんな仲居たちの噂を聞いたそいつらは誤解したんだろう。
 しかも、この部屋は菓子臭い、クッキーやらチョコやら甘ったるい
 匂いが充満している、これじゃ女子のいる
 部屋と間違われても仕方ない。」

ジョナサン
「ジョセフはこっちに来てチョコとかキャンディーとか
 クッキーとかに凝っていたから・・・、て、なんだよ!
 DIO!その「お前もだろ?」的な視線は!!

承太郎
「ジョナ兄!大丈夫・・・じゃねーか・・・。

ジョナサン
「タックルされたままだけど大丈夫・・・なんかまた
 眠っちゃったし・・・・。さっきと変わらないみたい。」

ジョセフ
兄ちゃん、それ人に掴まれるウナギの真似?

ジョナサン
「あ・・・あは、あは・・・そ・・そうだね。」

ジョセフ
「よーし、俺もウナギを捕まえるぞー!
 手で掴むとブルブルするから、口で・・・がぶっ!」

カーズ
「ははは、上手じゃないか、写真を撮ってやる。
 ほら、チーズ!で・・・送信・・と。」

ジョナサン
ちょ・・・・!誰に送信したの!

カーズ
「心配するな、クラスメートにじゃない。
 遠くで心配しているシーザーにだけ送ってやった。
 安心しろ、他には絶対送らないと約束してやる。」

承太郎
・・・・あの人なら大丈夫だろうが、またスマホで
 説教されるな・・・馬鹿兄の奴・・・。

ジョセフ
「うわっ、だめだ、さっきまで大人しかったのに
 またブルブルしだした。」

DIO
「やはり熱を感知して動くタイプか。
 熱が感じられなくなると自動的に止まるらしい。」

ジョナサン
「どういうこと?」

DIO
知りたいなら教えてやってもいいが・・?

承太郎
断れ!ジョナ兄!!

DIO
「そうか、ジョナサンは尻が弟に占拠されていて
 使えないものな・・・。となると、幼児化したジョセフに
 使うのも心が痛むし、残るは・・・・・(ちらり)。」

承太郎
かっ・・貸せ!!持ち主に返してくる!!

DIO
「そうムキになるな、これは俺が返す。お前じゃ喧嘩を
 起こしそうだ、それに「お前らのじゃないのか?」
 などと逆に疑いをかけられてしまうぞ?
 じゃ・・・早速いって来るぞ。いい知らせを待っていろ。」


そして結局DIOの睨んだ通り犯人はその四人で、こけしバイブを
アイドル達の部屋と勘違いをして、おいたという事が判明した。
しかし四人すべてが共犯者ではなく
その中の一人がスケベ心をおさえきれず、ついやってしまったらしい。
リーダー格の男が深く反省させると誓い、謝ったので
波風を立たせることなくこの事件は穏やかに終りを遂げた。
だが結局、計画表作成は途中で打ち切りになる。
なぜならジョセフは眠りこけてしまったし、承太郎は
精神的疲労が激しいという事でまたの機会となってしまったのだ。
その夜、ようやく気を取り直したジョセフが痛む頭を抱えて
むっくりと起き上がる。
承太郎も尻の痛みはまだあるものの、ようやく酒の毒から
抜け出せたようだ。
ところで今夜の食事はザンギが出てきたが、一番の好物である
筈のジョセフの顔が何故かすぐれない。

ジョセフ
「頭痛い・・・気持ち悪い・・・ぜっかくの唐揚げなのに。」

ジョナサン
「仲居さんに言って取っておいてもらおうか?
 そうだ、明日の朝、出してもらおう。」

ジョセフ
「うん・・・・ごめん、俺寝るわ・・。」

承太郎
うわ、明日は雨だなこりゃ・・・。

ジョセフ
「くそ・・・調子が良ければお前なんか・・・。
 覚えてろよ承太郎・・。」

承太郎
「覚えてろと言えば、お前カーズと
 スゲー仲良かったぜ。覚えてるか?」

ジョセフ
うそん!!俺達犬猿の仲だぜ!?ふん、
 俺が覚えていないと思って変な嘘こきやがって。
 な?兄ちゃん!承太郎嘘こいてんだよな?」

ジョナサン
「いや、確かに仲良かったよ?でも別にいいじゃないか。
 悪い事じゃないと思うよ。」

ジョセフ
ガ――ン!兄ちゃんが言うならマジだ!
 ねー!俺どんな風に仲良さげにしてた!?」

ジョナサン
「僕は途中からそれを見たから詳しくは・・・。」

承太郎
そんなこと恥ずかしくて言えねえ。

ジョセフ
ちょ・・・おま・・・!

承太郎
うるせえ、俺のいう事は信じられねーんだろ?
 半病人はとっとと寝ろ、飯の邪魔だ。

ジョセフ
く・・・くそーー!


結局夜通し雨は降り続き、三人は激しい雨音を聞きながら眠りについた。
そして朝、雨は上がったものの空は一面灰色がかっていた。

ジョナサン
「うーーー、いい天気じゃない、でも今日は行かなきゃね。
 あ、承太郎おはよう。体調は大丈夫?」

承太郎
「ああ、もう大丈夫だ、ところで今日も天気は良くねーな。
 なんか雷でも落ちそうな予感がするぜ。」

ジョセフ
「うーん・・・。ふァーーーあ、グッドモーニング。
 あーーー腹減って死にそう・・・。」

ジョナサン
「おはよう、ジョセフ。君も体調が戻ったみたいだね。
 良かった、今日はみんなで出かけられそうだ。」

ジョセフ
「おう!頭の痛みもすっきり取れたみたい!
 さーーて昨日のザンギちゃん出してくれるかなー。
 あれ・・・・こんな朝に電話がきた。
 誰だろ、なんだシーザーちゃんか、もしもし・・・。」

承太郎
ジョナ兄、避難だ、雷が落ちるぜ。


承太郎の言う通りでかい雷がジョセフめがけて落ちる。
遠くにいても「雷鳴」が聞こえるので仕方なくドアの外に出る。
あの調子だと一時間は入れないかもしれない。
ジョナサンがドアの外でしきりに弟の心配をする。

ジョナサン
「あの送信した写真の事かな・・誤解だって教えてあげようよ。」

承太郎
「その前に酒を飲んでああなったって言わなきゃならねぇ。
 しかも、アイツは酒だって判って勝手に飲んだんだ。
 どっちにしても叱られるだろ。
 さらにあの笑顔であんなモン咥えているんだ。
 知らなかったとはいえ、そりゃあ怒るわな。」

ジョナサン
「ジョセフあんなに叱られて、落ち込んだらどうしよう。」

承太郎
「アイツはそんなんでずっとへこむほどやわじゃねーよ。
 それに叱るってことは、心配だから叱るんだ。
 あいつだってそんな事判ってるはずだぜ。」

ジョセフ
「わーーん、兄ちゃん!!頭いてーよ!」

承太郎
「・・・どうやら終わったようだな。
 まったくほんとに世話の焼ける奴だぜ。」


苦笑いをしながらジョナサンと承太郎は部屋に戻る。
もう雷が落ちることはないが、彼の体に残る
罰である「一週間の体育館掃除当番」の
ショックは当面消えそうもない。







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