ここはポルナレフの亀の中・・・でなく亀の外。
前回DIOを怒らせた件で亀はまだ使えないでいた。
そんな調子で仲間も集めることもままならず、右往左往する
日常にジョースター一族は焦りといら立ちを
感じずにはいられなかった。
 
{話にならんな2}


承太郎
「おい、いつまでこうして宿に泊まってるんだ?
 金にまだ余裕があるにしても、こんな状況が
 続けば他のメンバーが不審に思いだすぜ?」
 
ジョセフ
「俺に向かって言うなよ、確かに原因作ったのは
 俺かもしれねーけど、きっかけを作ったのは
 おめーだぜ。」

承太郎
「それがてめーの言い訳か?まあいい、だがケリは
 つけてもらおうか・・・。今からこん中に入って
 安全か確認してきてもらおうか・・・。」

ジョセフ
「なんだと!?俺に犠牲になれってか!!
 冗談じゃねー、ちゃんと俺はあの時のケリはつけたぜ!
 みんなのこと逃がしてやったじゃねーか!」 

ジョナサン
「待ってくれ、二人とも・・・。僕が行くから
 何かあったら後を頼むよ・・・。気になることも
 あるから・・・・。」

ジョルノ
「待ってください!僕も行きます!」

承太郎
「大丈夫か?あんたら親子は何にも悪くねーんだ。
 無理しないでこいつに行かせればいい。」

老ジョセフ
「まあまて、わしが同行しよう。どうもこやつでは
 また余計なことを言ってもめ事を起こしそうじゃからな。
 どうせわしは襲われないんじゃ、それに老い先も短いしな。
 この二人は必ずわしが守る、後を頼んだぞ。」


そして亀の中では・・・。

老ジョセフ
「何もないのう、きれいなもんじゃ。」

ジョルノ
「悪の気配も感じませんね。」

ジョナサン
「本当に僕たちジョースター一族にしか手を出す気では
 なかったのかな・・・なにか盗まれたわけでも
 仕掛けられた訳でもないみたい・・・。」

老ジョセフ
「会議室に行ってみるかの・・ああ、
 二人ともわしの後についてきてくれ・・。」


会議室にて。

ジョルノ
「静かですね・・・あのまんまです・・・。」

老ジョセフ
「わしらが逃げてからすぐ引き上げたのかの・・。」

ジョナサン
「みんなを戻しても大丈夫そうかな?」

DIO
「待っていたぞ、我が妻子よ。」

ジョナサン
「何処から聞こえるんだ!?」

老ジョセフ
「モニターじゃ!奴が写るぞ!」

DIO
ジョナサン俺だ、結婚してくれ。


・・・・・・。

DIO
「ん?ジョナサンはどうした?さっきはいたようだが。」

ジョルノ
「机の下です。」

DIO
「なんだそんなところに隠れおって、照れたのか?

老ジョセフ
「こけたんじゃろうよ、じい様・・・大丈夫か?」

ジョナサン
「(く・・・不意打ちを食らって思わず!
 DIO!やはり現れたか!!」

DIO
「なんだ爺もいるのか・・・まあ、あの
 若いのを連れてこなかったのは正解だったな。
 今度という今度は容赦するつもりはないからな。
 ふふふ・・・そう構えるな、今日はお前たちの
 囚われの仲間たちの近状報告でもと思って
 電波ジャックしただけだ。」

ジョナサン
「ツェペリさんのことか!!」

ジョルノ
「ブチャラティ・・・フーゴ・・・。」

老ジョセフ
「アブドゥル・・イギー・・・くそ・・・
 皆無事なんじゃろうな!!」

DIO
「心配するな、俺の味方である内は手を出さん。
 そんなに仲間が恋しいか・・・ん?」

ジョナサン
「当たり前だ!!早くこちらに返すんだ!!」

ジョルノ
「彼らはあんたには何の関係もない!!
 本当に無事なのか!?彼らの姿を見せろ!」

ヴァニラ
「言葉を慎むように、ジョルノ様・・・。
 いくらDIO様のご子息とはいえ
 聞き捨てなりませんぞ?」

DIO
「まあいい、少し威勢があるくらいが
 俺とジョナサンの息子らしい・・・。」

ディエゴ
「おい、俺はいつまでここにいればいいんだ?」

DIO
「おお、すまなかったな、紹介しよう。
 彼も誇り高きブランドー一族の
 血筋だ・・・。無論、ジョナサン
 お前の親戚でもあるぞ・・・。」

ディエゴ
「フン!よろしくなんて言わんぞ。」

ジョナサン
なんてディオそっくりなんだ・・・。

ディエゴ
「なんだと?おれがこいつにそっくりだと?」

DIO
「まあ、それは否定しない。ところでジョナサン。
 そしてジョルノ、恋しい仲間を戻すために
 一肌脱ぐ気はないか・・・?」

ジョナサン
「なんだ!?それは!」

DIO
「簡単なことよ、お前ら二人がこっちに来れば
 いいだけのこと・・・。お前ら二人が来れば
 後の奴らはまとめて返そう。」

老ジョセフ
「承諾してはいかん!どうせ嘘に決まっておる!!」

ヴァニラ
「だまれじじい!お前が口を出す権利はない!」

ジョナサン
「く・・・そんなことをして助けても仲間が喜ぶと思えない!
 それはつまり君に従えということだろう!?
 その申し出は受け入れられない!」

ジョルノ
「もしこの場に仲間がいたら・・・皆止めるはず・・!
 僕も母さんと同じ意見だ!」

ヴァニラ
「なんと強情な・・・お可哀想に、悪い所は
 その男に似てしまって・・・。
 もう一度言います。その男と共に
 こちらに来るのです、判るでしょう?
 あなたに手荒な真似はしたくないのですよ。
 DIO様もきっとそう望まれるでしょうから。」

ディエゴ
「はっ!めんどくさい!よくわからんが
 無理やり連れてきて奴隷のようにこき使えばいい!
 おい・・・そこの金髪のガキ!
 お前もブランドーの血を継ぐ者のようだが
 出しゃばったマネはしてくれるなよな!
 いいか?こっちに来たらまず、俺より目立つ行動はするな!
 俺をひき立たせろ!俺に意見するな!俺に従え!
 俺の役にた・・・。」

ジョルノ
嫌です。そんなことより
 ブチャラティ達を返してください!!」

ディエゴ
「なっ!このガキ!俺がセリフを言い終わる前に
 口を出して邪魔をするな!・・・どうも躾が
 悪いようだな、よし俺が躾けなおしてやる!
 まずこっちに来たら
 その派手な前髪を全部ちょんぎってやる!
 それから・・・」

ジョルノ
これのことですか?気になるならあげます。

老ジョセフ
その前髪、ヘアピースだったのか?へーーーー驚いた!

ジョルノ
「いや・・・最近つけるようにしたんです。
 何せ戦いで乱れるし、なによりみんなが珍しがって
 いじくるもので・・・。そのたびに整え直すのは
 大変なので・・・。因みに僕の前髪は後ろで止めてますよ。」

ジョナサン
「みんなしょうがないな・・・僕から注意して
 あげるよ・・・、誰だい・・・?」

ジョルノ
「えーと・・・たくさんいるんですが、まず若い・・・。

老ジョセフ
あーーーーすまん!昔のわしが本当にすまん!!
 わしから厳しく注意しておくから・・・。」

DIO
お前ら本当に脱線が好きだな・・・。
 まあお前らのゆうことも一理あるな。
 仲間の姿を見せたきゃ見せるが・・・本人たちの意思も
 尊重しなければな・・・・・。
 ヴァニラ・・・聞いてこい。」

ヴァニラ
「はっ、すぐ終わるでしょう、少々お待ちを。」


一分後

DIO
「どうだった?」

ヴァニラ
「残念ですが・・・顔も見たくない・・・と・・。」

ジョルノ
「そんなはずがない!嘘をつくな!!」

ジョナサン
「出まかせを言っているだけだろう!!そんな嘘で
 騙されたりすると思っているのか!」

老ジョセフ
「・・・・なあ二人共・・・残念ながら奴の言う通りかも
 しれん・・・。じゃがなそれは真の心からではない・・。
 判るじゃろ・・・?彼らにはわしらが憎い敵に
 見えて仕方ないんじゃよ・・・。奴のせいでな・・。」

DIO
「そうだ、俺の敵はあいつらにとっても敵だからな・・
 だからこそこっちへ来いというのだ。」

ヴァニラ
「そうですよ。調べたところ・・・ジョルノ様は
 ブチャラティという青年に特別な想いを抱いているようですが
 どうなのですか・・?本当は会いたくて会いたくて
 震えているのではないのですか?」

ジョルノ
く・・・・!

ジョナサン
「ジョルノ!耳を貸してはいけない!僕だって・・・
 ツェペリさんに会いたいのを堪えているんだ!」

DIO
なんだと!?できているのか!?

ジョナサン
そ・・・そんなわけないだろ!僕の大事な師匠というだけだ!

DIO
ふー・・・良かった、奴を殺すところだったぞ・・。

ジョナサン
「だけど僕たちは自分らの手で彼らの心を取り戻すって
 決めているんだ!何度そそのかそうが、お前たちの
 言いなりにはならない!!」

ジョルノ
「そうだ・・・立ち向かわなくては意味がないんだ・・・。」

ディエゴ
「(ははーん成程・・こいつ・・・。)
 まあ・・・お前らがそうしたいのなら
 無理にとは言わないが・・・?お前らがちんたらしている間に
 いつの間にか知らない所で秘めたる関係に発展している
 可能性は出てくるよな・・・、ブチャ・・・だっけ?
 一緒にいるフーゴっていうやつと最近親密にしているのを
 よく見るなあ・・・。いやー妬ける位に・・・・。
 仲間に戻ってもすでに心変わりをしていたら・・・
 いやいや・・・可哀想だなこれ以上言うのは・・・。

ジョルノ
「ううっ・・・!」

ジョナサン
「ジョルノ!しっかりするんだ!
 なんて意地の悪い事を!本当にディオそっくりだ!君は!」

ヴァニラ
「しかし残念ながらディエゴ様のいう通りですな・・・。
 でも安心してください、あの若者に捨てられても
 貴方にはDIO様がいらっしゃいます。
 そのジョナサンという男ともども隅々まで
 愛してくれるはずです。
 ああ、なんとうらやましい・・あなた方に思わず
 嫉妬してしまいそうです。」

DIO
「(親子丼か・・・それも悪くない・・・。
 しかし俺のもとに来れば、その二人の仲が
 進展しないようにしておいてやろう。
 ふ、だがまあそれとは別にお前が俺に寵愛を受けたいのなら
 いつでも歓迎するぞ?さあどうする?
 そろそろお前ら二人の意見を聞こうではないか・・・。」

老ジョセフ
「なにがそういうことか判らんが・・・
 いい加減にするんじゃ!真面目で純情な二人を苛めるのが
 そんなに楽しいのか!」

ディエゴ
「何を言っているじじい、真面目な奴ほど苛めるのが
 楽しいものはない!さて・・次はどう苛めてやろうか。」

DIO
こいつ本当に昔の俺そっくりだな・・・。

ジョナサン
「僕たちは・・・いじめに屈しない!それはDIO!
 皮肉にも君が教えてくれたことだ!!」

ジョルノ
「そうだ・・・僕たちは負けない!苛められた過去を
 教訓として今まで生きてきたんだ!」

ジョナサン
「は・・・そういえばディオは今日いないが・・・。
 どうしたんだ・・・?」

DIO
「フン!またアイツか・・?あいつなら・・・。」

ディオ
「おい・・・あの男を何とかしてくれ・・さっきからしつこくて。
 ん・・・おまえはジョジョ!さては俺にあいたくて・・。」

DIO
いや、ジョナサンは俺に会いに来たんだ。

ディオ
前回無視されていたがな!なあ・・ジョジョ・・。
 そうだろう?お前は俺ばかり見ていたよな・・・。」

プッチ
ここにいたのか我が愛しの友よ・・・。

ヴァニラ
む!?

DIO
「おおプッチか・・・用があるのは俺か?それとも
 昔の俺か・・・?」

ヴァニラ
DIO様?このなれなれしい男は?

DIO
「すまん、お前にはまだ言ってなかったな。
 俺の親友プッチだ。」

プッチ
「そうだ、覚えておけ、因みに我が友の右腕でもある。
 そういうお前はDIO様の忠実な奴隷のヴァニラだったか?
 ご苦労、私がいるからこの場から下がってもいいぞ。」

ヴァニラ
「そうですかそうですか・・・友達だったとは・・。
 危うくただの無礼者と勘違いして殺すところでした。」

老ジョセフ
(なんか雲行きが怪しいのう・・・・。)

ジョルノ
(二人の間に凄まじい狂気が感じられる。)

ジョナサン
「何故だ・・・なぜDIOのような悪人に
 魅せられる人間が出てくるんだ・・・!」

プッチ
「ふん!お前に彼の魅力など判りはしない。
 そんなんでよくわが友DIOの妻がつとまるものだ。
 そこの息子もおそらく何もわかっていないのだろうな。
 まあいい、私が記憶を奪って教育し直してやろう。」

ヴァニラ
なんだと!?DIO様のご子息のお世話兼教育係は
 このヴァニラがする!ディエゴ様もディオ様も
 全てこのヴァニラがお世話をするのだ!!

ディオ
じゃあ俺はジョナサンの調教をする。

ジョナサン
調教ってなんだ!人を馬みたいに!

ディエゴ 
「調教なら俺の方が本業だぞ、俺に任せろ。
 母子ともども従順になるよう調教してやる。」

ディオ
「ふん!そう簡単にいくものか!あれは
 とんだ暴れ馬だぞ!」

DIO
おい・・お前ら・・邪魔・・・・。

老ジョセフ
「内輪げんか勃発じゃな。面白いから成り行きを見守るかの。」

承太郎
「あれ内輪げんかかよ・・・。やれやれだぜ。」

老ジョセフ
「承太郎・・・来たのか。」

承太郎
「遅ェからな・・・何かあってからじゃ面倒だし、みにきたぜ。
 じじい・・・電源はどこだかしってるか?」

老ジョセフ
「ああ・・・そこじゃ。」

承太郎
「さいしょから切っておけばこんな
 見苦しいもの見なくてすんだのにな・・・。」

ジョナサン
「あ・・・切れた、さすが承太郎。」

承太郎
「やれやれだぜ・・・そんなことで褒めるなよ。」


取りあえず最終的には電源を切るという
初歩的な処置で事なきを終え、仲間たちはようやく亀の中に戻った。
しばらくの間テレビやラジオ系統が使えない不便さは残ったが、
二度とあのような電波ジャックは起こらなくなったという。





戻る