誤解と愛とコメディと

ジョルノが無事試験を合格し、彼の望み通り
ブチャラティ率いるチームに加わることになったが
初めて見るジョルノに対しチームの反応は
とても冷たいものだった。
 
ブチャラティ
「おい!お前ら少しは愛想よくしたらどうだ!」
 
ジョルノ
「・・・いいんです。ブチャラティ、彼らは僕のことを
 何も知らないんです。素性も判らない怪しい者に対し
 いきなり親しく出来る筈ないですものね。
 でもいいんです、これも試練ですから。
 皆に早く僕を認めてもらえるように努力しますから。
 僕のために必死になってくれているあなたにも
 応えたいですから・・・。」

ブチャラティ
「・・・すまない。だが奴らも悪いやつらではないんだ。」

ジョルノ
「判っています、貴方が率いるチームのメンバーに
 悪い人なんていません。僕はそう信じています。」

フーゴ
「・・・・・・(なんだろう、あの二人から
 発せられる神聖なオーラは・・。)」

ミスタ
あの・・・もしもーし?

ジョルノ
「あ、すいません。僕のことは気にせずおしゃべりや
 休憩を続けてください。ブチャラティよかったら
 あちらで色々教えてくれませんか?忙しかったら
 後でもいいんですが・・・。」
 
ブチャラティ
「ああ、じゃあ、あっちへ行こうか。ケーキと紅茶はどうだ?」

ジョルノ
「頂きます。」

ナランチャ
なんか俺らの方がハブられてる気分なんだけど・・。」

ミスタ
俺にはあの二人の周りに他人を寄せ付けないような
 バリアーが張っているように見えるぜ。

フーゴ
こっちがやたら低次元に見えて仕方ないんだが・・。

アバッキオ
「・・・フン!あーーなあ、ジョルノ・・・だっけ
 つれなくして悪かったな、俺たちしょっちゅう物騒な
 仕事をしてるもんだから警戒して・・。
 つい無愛想になっちまって・・・、ま・・立ち話も
 なんだから・・そこに座ってお茶でも飲んでくれ。
 年はいくつだ?」

ジョルノ
「15です。」

ナランチャ
(やったっ!俺より年下キタ――(゚∀゚)――!!
 えばりまくってこき使ってやろっと♪)

ミスタ
「(フーゴだって年下じゃん。)」

ナランチャ
「(あいつ頭が良すぎて・・年下っぽくねーんだもん。)」

アバッキオ
「・・・さ・・冷めない内にどうぞ?」

ナランチャ
「(うわ・・小便・・?それマジで飲ますのか?)」

アバッキオ
「(強制はしねーよ?泣いちまったら困るしな。
 だが飲まなきゃ印象が悪くなるだろうがな・・・。)」

ミスタ
「(えぐいねー。相手はお子様だぜ?
 お前の「特製ミルク」くらい
 入れてやったのかよ?)」

アバッキオ
「(馬鹿いえ、ありゃ「大人の飲み物」だ。
 はっ・・お前の方がえげつないじゃないか。
 ま・・・もし「おかわりください」なんて
 いってきたら入れてやってもいいかな?)」

ミスタ
「(ちげーねー!はははっ。)」

ジョルノ
「頂きます。あっ・・。」


ガチャン←お約束

ナランチャ
ギャーース!!何してんだ馬鹿ーー!!

ミスタ
ちょ・・雑巾雑巾!!
 あ・・・これでいいや貸せ!

ナランチャ
それ俺の腰巻ー!!!

ジョルノ
「すいません!僕が拭きます!
 悪いのは僕ですから・・・。
 それ貸してください!」

ナランチャ
だからそれ俺の腰巻っ!!

アバッキオ
うるせーーーテメーら!!俺が拭く!!
 フーゴ!!店から消毒アルコール持ってきてくれ!

フーゴ
「まったく・・・少し待っててください。」

ブチャラティ
「お前ら・・・紅茶こぼしたくらいで
 少しオーバーじゃないか・・・?」

ジョルノ
「皆さんきれい好きなんですね、少し驚きました。」

ミスタ
え?そ・・そう?そうなんだよ実は、へへっ☆

ナランチャ
バカヤロー!俺の腰巻がーーー!!

アバッキオ
「うるせえ!!弁償すれば文句ないだろ!?
 金払ってやるから!ミスタが!!

ミスタ
なんで俺!?

アバッキオ
「最初にナランチャの腰巻を雑巾代わりに
 したのはお前だろう?」

フーゴ
「確かに的を射ているな。」

ミスタ
「何てこったい!!仕方ねェ・・・
 後で古着屋に連れて行ってやる!」

ナランチャ
せけーー!!!

ブチャラティ
「とにかく・・・新しい茶でも頼むとするか・・?」

アバッキオ
「いや!まだティーポットに残っているから
 これで行く・・・。ジョルノくん・・・?
 2度とこぼさないように頼むな・・・?
 (※訳 こぼしたらタタじゃおかないぞ☆)」

ジョルノ
「ええ・・・本当にすいませんでした・・・。
 今度こそ頂き・・・ま・・
 はっ・・・は・・・。(←くしゃみ)」←お約束その2

ナランチャ
わあーーーー!!ほら!!ナプキンで
 鼻抑えろ!!

ジョルノ
「・・・・だ・・・大丈夫です、
 鼻がムズムズしたので。」

ブチャラティ
「ナランチャ・・・?どうした?
 お前にしては珍しく甲斐甲斐しいな。」

ナランチャ
「え・・?そ・・そう?だ・・だって
 こいつ年下だからーー。
 へ・・・変かな?(だって今度は
 俺の帽子を雑巾代わりにしそうだし・・。)」

ブチャラティ
「いや・・・正直俺はうれしい。
 何のかんのいっても部下を思いやる
 心遣いを持っていることが・・・。」

アバッキオ
はははは!そりゃあもちろん可愛がるさ!
 (別の意味でな!)ジョルノ君・・・?
 あまりお茶目なことをすると
 そのお口の中に直入れしちまうぞ・・?
 
ミスタ
「えっ?それは公共の場ではマズくない?ドキドキ。」
 
アバッキオ
ば・・・ポットの先端をに
 決まってるだろうが!ぼけっ!


飲尿のくだり中略・・その後

ナランチャ
「なーーーおせーて、おせーて!どうやって
 あれを隠したんだー?俺には飲んだように見えたけど
 フーゴが違うっていうんだ。」

フーゴ
「その通り、それが証拠に喉が動いていなかった。」

ミスタ
「本当に飲んでないのか?軽蔑しないから
 こっそり教えろ。な?ほら!」

ジョルノ
秘密です。

ナランチャ
「えーー!!俺のスタンドちょっとだけ見せるからー!」

ミスタ
「お前のはこういうところでは無理だろ?
 俺のは見せられるぞ、結構可愛いぜ?
 見てみるか?」

フーゴ
「僕のも無理だな・・・ん?今君の歯の中になにか
 見えたぞ?こじ開けられたくないなら
 みせてくれませんか・・・?」

ジョルノ
「・・・判りました、こじ開けられるのは
 嫌なのでお見せします。ちょっとこの水の入った
 コップを貸してください。」

ミスタ
「おいおい、戻したりしないでくれよ・・・?
 ん・・・?なんだそれ・・・。」

フーゴ
「あ・・・これクラゲ・・・?」

ナランチャ
お前口の中にクラゲ飼ってんの?スゲー!

フーゴ
「そんな訳ないでしょう?そうですよね?
 まさか胃の中に住んでいたわけではないですよね?」

ジョルノ
「ええ・・たったさっき僕の口の中で
 生まれた生き物です。ほら・・元気に
 泳いでいるでしょう?命を持った僕らと同じ
 生き物です。」

フーゴ
「・・・そうか!どうやって生まれたのかは
 判らないがクラゲがさっきの水分を吸い取ったんだな?」

ナランチャ
「え?クラゲの餌って小べ・・あ痛ェ!!
 ミスタ!フーゴがまた殴った!!

ミスタ
「お前はもう黙ってた方がいいぜ?
 おうおう、でもすげーな、ヒコヒコ泳いでやがる。
 ちっさくて結構可愛いじゃねーか。」

ナランチャ
「そうだよなー、俺普段クラゲってあんま
 関心ないけど、こいつなんかかわいいな。
 見つめていると和むッてゆーか・・。
 で?こいつどうするの?」

ジョルノ
「飼ってあげようかと・・・
 せっかく生まれた命ですし。」

アバッキオ
そんなもん海に捨てちまえ!!

フーゴ
「こんな小さいと他の魚とかに食われますよ?」

アバッキオ
「知るか!それが弱肉強食の世界だ!」

ミスタ
「お前が作らせたんだぞ?それはちょっと
 無責任じゃねーの?」

ナランチャ
そうだそうだ!ガキの面倒見ない親父は
 クズとおんなじだぜ!

アバッキオ
俺の子じゃねー!!そいつが勝手に
 生んだんだ!面倒ならそいつが
 一人で見ればいい!だいたい・・・


シーーーーン


※カフェ店内、ザ・ワールド状態。
五分後全員で裏口から避難。

ミスタ
公共の場ってこと忘れて・・・
 注目集めちゃったな・・。特に女性客の・・・。

フーゴ
今のセリフは確実にヒンシュクを買いましたね・・・。
 いえ・・僕たちは誤解って判ってますよ、僕たちは・・・。

ナランチャ
今のは都合悪くなったらポイポイ女を捨てる
 クズ男の名言だったよな?映画でよくみるもん。

アバッキオ
「く・・・これもみんなあのガキのせいだ。
 おい・・・あのガキはどこだ!」

ミスタ
「ブチャラティとどっかいったぜ?」

アバッキオ
「ブチャラティもブチャラティだ!
 あんな得体のしれない馬の骨小僧に
 よくホイホイと心を許せるんもんだ!
 真面目?優しい?いや!奴はカマトトぶってるだけだ!
 そこら辺のずる賢いビッチみたいに
 いつ本性あらわすかわかったもんじゃねえ!
 俺はこう睨んでるぜ・・・人のいいブチャラティに
 取り入って油断したところで寝首をかくつもりだ!」

ミスタ
「考えすぎじゃねーの?」

アバッキオ
「お前らが考えなさすぎだ!
 ん・・・?噂をすれば影だ。
 あいつと話してくる・・・・・。
 ブチャラティがそこにいようが関係ねえ。 
 お前ら手出しするんじゃないぜ。」

ジョルノ
「アバッキオ・・・さんでいいんですよね・・。」

アバッキオ
「名前を覚えてくれて光栄とは言わないぜ・・。
 ブチャラティはどこだ?」

ジョルノ
「彼は町に視察へ行きました。熱心なんですね。
 町を守ることに・・・・。」

アバッキオ
「それで?「僕ちゃん」はついていかないのかい?
 一緒についていけば印象がアップするぜ?
 いい子いい子ってしてもらえてよ・・。」

ジョルノ
「・・・・・・・。」

アバッキオ
「はっ・・・別にいいがな・・・
 いいか真面目ないい子ちゃんぶるのは構わないが
 あいつの首をかくような真似をしたら俺が許さ・・。」

ジョルノ
「あなたは彼のことが好きなんですね。」

アバッキオ
「好き・・・?まあな、嫌いなら奴についていかないさ。」

ジョルノ
「なら・・・貴方も今日から僕のライバルですね。

アバッキオ
はい??

ジョルノ
「彼に想いを寄せる人は多いとは思いましたが・・
 まさか身内にいたなんて・・・いえ・・・
 うすうす気づいてはいたんですが・・・。」

アバッキオ
ちょ・・・ちょ・・ま・・・おま・・・!
 俺の言った「好き」を勘違いしてとらえてないか!?

ジョルノ
「僕はライバルの人と戦う時は正々堂々と戦います。
 これからは卑劣な方法で相手を蹴落とすような
 真似はしないでください。」

アバッキオ
人の話聞いてねーな・・・。ふん、さっきの事
 まだ根に持ってんだな、ま・・・仕方ねーか。
 それはそうとさっき正々堂々と
 戦うって言ったな・・・。ならいまやろうぜ?
 戦い方はお前に選ばせてやる。年下への気づかいだ。」

ジョルノ
「判りました、それでは料理勝負ということで!」

アバッキオ
「おう・・それで・・え・・?

ジョルノ
「料理はブチャラティの好きなピザということにしましょう。
 期間は1週間でどうです?心配しなくても
 僕もピザは生地から作ったことないんで
 ハンデはないですよ?」

アバッキオ
バトルじゃねーのかよ!!

ジョルノ
「バトル?誰得です?そんなの無駄です無駄無駄。
 第一ブチャラティが喜びません。そうでしょう?
 皆もそう思うでしょ?」

ミスタ
「まあなー俺なら食う方がいいな。」

フーゴ
「もしもの時に戦力が減ると困るからな・・。
 うん、彼の言うことは正しいですね。」

ナランチャ
「ブチャラティが好きかってんなら俺も好きだぜ?
 それが条件なら俺も参加していい?」

アバッキオ
「お前らいつ来たんだ!?」

ミスタ
「お前がブチャラティラブって言っていた所から。」

アバッキオ
言ってねーーー!!

フーゴ
「心配しなくても僕はそういうの差別しません。
 あまりにも目に余るイチャイチャっぷりを披露されるのは
 困りますけど、人目を忍んでのイチャイチャなら
 それは個人の自由ですから・・・。ま・・片方不細工とか
 両方不細工な同性カップルは困りますけど・・。」

ミスタ
「ブチャラティーモテるなー。二枚目なら
 ここにもいるのにな、おいジョルノ、
 俺のここ(※胸)いつでも空いてるぜ。
 さみしくなったらお兄さんに甘えなさい?」

ナランチャ
「某コメディアンみたいなこと言ってんじゃねーよ。
 胸が開いているのはブチャラティとフーゴと
 アバッキオとジョルノだけじゃん!服的に!
 あ・・・俺もかな・・?」

ミスタ
「じゃあ、俺も開けよっかな?腹はどうも冷えて冷えて。
 わははははは!」

アバッキオ
なんだこの会話!?あ・・・ブチャラティ・・・。)

ブチャラティ 
「お前たち・・・。」

アバッキオ
「違うんだ!ブチャラティ・・・こいつらが・・・。」

ブチャラティ
「良かった・・・・。」

アバッキオ
「え?」

ブチャラティ
「お前らがみんな打ち解けてよかったよ・・・。
 もう心配はないな、アバッキオ・・・
 正直お前が一番心配だったんだ・・・
 ジョルノに風当たりがきつかったから・・・。
 でも・・・お前はやっぱり俺の期待に
 応えてくれる男だった・・、ありがとう。
 その調子で皆を引っ張ってくれ、
 皆も仲良くするんだぞ?」

ミス・ナラ・フー
「ウィース!!」

アバッキオ
「うぐ・・・。」

ミスタ
ボソっ・・(守ってやれ・・・あの笑顔。)」

アバッキオ
く・・・くそ・・・。」


その後チームは取りあえず一丸となり団結力を固めた。
因みに、ジョルノのクラゲは「アバちゃん」と名付けられ
ブチャラティ達の会議室のテーブルの上の水槽の中で
漂い、約1名以外の心を日々和ませているという。


















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