ここはポルナレフの亀の中。時を超えた仲間たちが集うところ。
生まれた年代は違えど目的は同じ志を持った仲間。
時には知った仲間と、時には知らない仲間と
手を組み協力してDIO軍との戦いに明け暮れていた。
そんなある日、休憩室でこれからのことを話すべく
今揃っているジョースター一族でひそかに
会議が行われていた。
今ここにいるのは、ジョナサン、ジョセフ(老、若両方)
承太郎、仗助、そしてジョルノだけ。
DIOに一番詳しい承太郎とジョセフ(老人)と
ジョナサンがリーダーとなり話を仕切る。
ちなみに仗助はDIOの事はほとんど耳にしたことがなく、
ジョルノもDIOとは誰よりも深い関わりがあるのだが
実物には会ったことがない。

ジョルノはおもむろに懐の中に手を入れ
写真入れの男の顔をじっと見つめる。
ちなみにDIO(敵)が父であるという事はすでに
皆にも話してある。
ただ何故か老ジョセフに「ジョナサンだけには言わないでくれ」と
口止めされていたので、言われた通り
ジョナサンにだけは黙っていた。

仗助
「…親父さんって敵のボスなんだろ?大丈夫か?」

ふいに隣の仗助に話しかけられ、そちらを振り向く。
仗助はジョルノとは一つ違いで歳も近いせいか
とてもフレンドリーに話しかけてくれる。
また、本当の父親を知らずに育ってきた彼とは
(今は父が老ジョセフだと認知しているが)
境遇が似ている事もあって、普段なら父親のことは
仲間にも話さないジョルノだが、彼が相手なら話は別のようだ。

ジョルノ
「僕は平気です。ただ…いろいろと知りたいんです。
 決着をつける意味でも…。」

仗助
「あのよー…もしお前の親父が俺の親父みたいに
 頭下げてきてもお前は許さない?」

ジョルノ
「…ジョセフ(老)さんの事ですか?あの人と
 僕の父であるこの男と比べるのは間違いです。
 あの人は世の人のために闘ってきた立派な人だ。確かに浮気は
 悪い事だけれど、人間ですから誰にでも一つ位過ちはあります。
 それに引き換え僕の父は罪のない人をたくさん殺してきた
 悪魔のような男だ。謝るくらいで済むレベルではないでしょう。」

そう冷たく言い放ち、厳しい表情で写真を懐にしまう。
そう言いながらも、肌身離さず持っているこの写真。
この男が本当にどうなっても構わないと思っているのなら
なぜわざわざ写真入れにしまって大事にとっておくのか。
本当に情報を聞き出すためだけのものなのか
自分でもわからなくなる時がある。
父を見つけたあとこの写真はどうするかもまだ決めていない。
救いようのない男なら破り捨てるだろう、でも、もし彼にまだ親心
というものが残っていたら…?
うつむき加減のジョルノを心配そうに眺めていた仗助だったが
ふと頭をよぎった疑問をジョルノに投げかける。

仗助
「お前の目の色ってこの男に似てないな。変だよな。
 おまえのお袋さん日本人なんだろ?」

ジョルノ
「え?」

仗助
「だって俺の親父は見てわかる通り、目はグリーン
 だけど俺は黒。まー、お袋が日本人だからそっちの遺伝を
 もらったんだろうな。承太郎さんの目の色が青緑なのは
 うちの親父の娘であるホリィさんの遺伝だからなんだけど
 お前はいったい誰に…。」

承太郎
「隔世遺伝ってのがあるぜ。あの男の母親か父親に
 似たのかも知れねーだろ。あんまり根掘り葉掘り
 聞くのはどうかと思うぜ?仗助。」

いきなり背後から承太郎に咎められ、縮こまる仗助。
ジョルノを助けたというよりは後ろで冷や汗をかいている
老ジョセフに助け船を出してあげたというとこだろう。
きっとジョルノの目の色はジョナサンの遺伝だ。
しかし老ジョセフはそれに感づいてほしくないはずだ。
自分に近づいてきた承太郎に聞こえないように礼を言う。

老ジョセフ
(すまんの…。)

承太郎
(自分の息子の失言くらい自分で何とかしろ。世話の
 焼ける爺だぜ…。しかしいつまで黙っておくんだ?
 いずれバレることだぜ?)

老ジョセフ
(わかっとる…だがDIOとあの子の関係が爺様に
 知られてしまうと思うと…。)

そう言って切ない表情で若いころの自分と話している
ジョナサンを見つめる。
ジョナサンにはDIOの体がジョナサンの体であることはまだ
教えていない。もしDIOの体が自分の体であることが
わかってしまったら、同時に自分の運命さえも分かってしまうという事だ。
しかも奪い取った自分の体で子供を作っているという事は、
ジョナサンにとって
まさにその子供は正真正銘自分の子どもになるというわけだ。
同時にジョルノもまさか二人の男の遺伝を受け継いでいる
なんて夢にも思わないだろう。
きっと知ればジョナサンは落胆し、ジョルノは混乱する。
いずれ知るにしてもバレるにしても知らなくて済むなら
その可能性にかけたい。おセンチになっている老ジョセフとは対照的に
若き日のジョセフは戦いとは無関係なことばかり
ジョナサンと話し合っていた、

ジョセフ
「へーー!エリナばあちゃんてそんなしとやかな人だったんだ!
 絶対お転婆だと思ってた!」

ジョナサン
「あはは…お転婆だなんて…。すごくお行儀のいい上品な人だよ。
 行儀の悪い僕はよくしかられたよ。でもね上品だけど高慢じゃない
 とても慈愛に満ちた人なんだ。一見おとなしそうだけど真面目で
 芯がとても強い人で頑固な一面もあるんだよ。」

ジョセフ
「あー…。確かに…うん!確かに!」

頭の中に厳格なエリナが映し出され、ひたすらうなずくジョセフ。
そしてなぜかもう一人、あったことのない人間の名が浮かび
ジョナサンに尋ねてみる。

ジョセフ
「なあ、俺の連れにスカした奴がいるんだけど
 そいつの爺ちゃんがツェぺリって言うんだって…。
 爺ちゃんのことを知っているって言ったけど…。」

その名を聞くまで笑顔だったジョナサンの表情が
少し暗くなる。なぜならツェぺリは闇にとらわれ
DIO側のほうについているからだ。

ジョナサン
「彼は偉大な人だよ。ちょっとお茶目なとこもあるけど…。 
 彼のおかげで今の僕がいる。彼は僕のすべてといっていい。
 今は闇に落ちてしまったけど…僕は必ず彼を取り戻してみせる!」

???
「僕のすべてだと?聞き捨てならんな…ジョナサン。」

小馬鹿にしたような含み笑いとともに、突然あたりが急に暗くなる。
声の主は誰か、そしてこの声はどこからか。
全員が総立ちして辺りを見回していると
いきなりテレビのモニターが音を立てて
驚くべき光景を映し出した。


【話にならんな1・改】



ジョースター一族は思わずモニターに釘付けになる。
そこに映し出されていたのはありえない人物。
しかし承太郎と年老いたジョセフにはそれが誰だか
思い当たらないわけがなかった。
以前戦った時とはだいぶ姿が変わってしまったけれど
金色の髪を持ち相変わらず凄まじい威圧感を体にまとっている。
自分たちを散々苦しめた男「DIO」本人がモニターに映っている。
 
承太郎
「…てめえ…まさかDIO!!」

仗助
「え?どいつっすか?俺会うの初めてだから…。」

ジョセフ
「真ん中の偉そうな男だろ?俺初めて見るけど
 すぐDIOだって判ったぜ。」

老ジョセフ
「まあ、あんだけ自己主張が激しいコスならのう…。」

承太郎がクールに決めた傍から総ツッコミが入り
途端に緊張感が削がれる。承太郎がそんな連中を
にらみつけている中でジョルノだけは必死の形相で
DIOを見つめていた。

ジョルノ
「え…あの人が…?」

ジョナサン
「ディオ!!お前そんな小さな箱にどうやって…!」

テレビなど存在しない時代から来たジョナサンにとっては
まるで魔法でも見てるような気分なのだろう。
心底驚いた様子でテレビの中のディオを凝視する。

ディオ
「ふん!相変わらず間抜けだな、ジョジョ。
 モニターテレビのことがよくわかっていないと見える。
 俺はすぐ今の文明を理解できたがな!」

偉そうにディオに見下され、悔しそうに歯ぎしりをするジョナサン。
そんなジョナサンをかばうようにジョセフがこっそり耳打ちする。

ジョセフ
「(嘘だぜ、教えてもらったんだろ?恥かかないように。)

ディオ
「黙れ!!聞こえているぞ!!そこのジョジョ似の貴様!」

ジョセフ
「だって俺ジョジョだもん。」

承太郎
「そう言われれば俺もそうだな。」

なあ?と言って顔を見合わせる二人。
もちろん自分たちが呼ばれていないことは分かっているが
あえて挑発するのがこの二人の性格だ。

ディオ
「えーーい!!うっとおしい!ところでジョナサン…。」

DIO
「なあ…俺に話をさせてもらえんか?
 そもそも俺のおかげでお前はこうして
 ジョナサンと喋ることができているんだが?」

さっきから自分が真ん中に座って一番ボスらしい
立ち位置にいるのに、一言もしゃべっていない
DIOが愚痴を漏らす。

ディオ
「なに!?いくら未来の俺でも指図されたくないっ!!」

DIO
「ヴァニラ、頼む、お前のスタンドで黙らせてくれ。」

ヴァニラ
「はっ…!ディオ様、ご無礼をお許しください。」

ディオ
「なっ!貴様!俺に歯向か…もごごご…!」

わがままな過去の自分の扱いに困ったDIOは
後ろに控えていたヴァニラにスタンドを出してもらい
ディオを束縛する。ディオも必死で抵抗するが
見えない力にどう抵抗していいのか分からず、ただもがくしかない。
ちなみにスタンドの見えないジョナサンと若ジョセフは
はなんでディオがああなっているのかは理解できていない。

DIO
「さて…久しぶりだな…承太郎、そして
 爺のジョセフ。それと爺の息子の仗助だったか?
 そっちの若いのは昔のジョセフだな?
 相変わらずやかましいのは変わらんな。
 ああ…一番大事な二人に挨拶をせねばな…。
 永い間離れていたがお前の顔を忘れたことは
 なかったぞ…ジョナサン…。
 そしてお初にお目にかかるな、俺の息子ジョルノよ。」

ジョルノ
「え…?え…?(写真と違う…。)」

てっきりディオのほうが父親だと勘違いしていたジョルノは
目の前の派手なメイクをした男の方が父だという事実に
驚きを隠せない。確かに面影があるが、メイクが
きつすぎてどうにも実感がわかないらしい。
食い入るように自分を見つめるジョルノにDIOは
妖しく口元を歪ませる。

DIO
「フフ…そんなところでからではよく分からんだろう?
 もっと俺のそばに来ればいやでもわかるようになるぞ?
 なあジョナサン。お前だって…。」

さり気なくジョナサンの気も引こうとするが
ジョナサンは目の前の派手なDIOには目もくれず
同じ時代から来たディオばかりに話しかける。

ジョナサン
「ジョルノ、君がディオの息子…?
 ディオ…!!どういうことだ!!
 本当に君の子なのか!?」

ディオ
「(俺が知るか!!そっちの俺だろうが!!)」

ジョナサン
「しかしこの子は立派に正義のために戦っているぞ!
 それなのに君という男は、
 父親でありながら恥ずかしくないのか!!」

ディオ
「(俺はしらんといっているだろうが!!)」

DIO
俺は無視か…ふっ…。

どこか遠い目をしてこめかみに青筋を
浮かべるDIOにさっきから黙って見守っていた
親衛隊のヴァニラが、たまらずジョナサンを指差し一喝する。

ヴァニラ
「おい!!そこのロールケーキ!DIO様が
 貴様のために喋っておられるというのに
 無視しおって!この無礼者が!」

ジョナサン
「ロールケーキ!?僕が?」

ヴァニラ
「そうだ、貴様は周りに甘くそして線が太い。
 これ以上相応しい言い回しはないと思うが?」

ジョナサン
「く…なんて侮辱だ!ディオ!
 なんだ今の「ナイス!」のポーズは!
 は…いけない…ディオの挑発に乗っては。」

DIO
ジョジョォーーー!!

いきなりテレビが壊れるかと思うくらい
大きな声でDIOの怒声が響き渡る。
それまでざわついてた空間は一瞬にして静まり返る。

ジョセフ
「わ…!!びっくりした!なんだよ!」

承太郎
「そんなでかい声で呼ばなくても聞こえるぜ。」

DIO
お前らのことではないっ!ジョナサンのことだ!
 俺を無視して過去の俺とばっかりコンタクト
 とりやがって…。(嫉妬)

ディオ
「ふっ…。(当然だろうな。)」

ヴァニラ
「DIO様…お気もちをお鎮めください…。
 奴らのくだらない挑発に乗りませんように…。」

今にも暴れだしそうなDIOにヴァニラがそっと耳打ちする。
たしかに今ここで暴れても通信が途絶えるだけで
あちらには何も損害はないだろう。
DIOはためいきを大きく一つ付くと背後のヴァニラに礼を言う。

DIO
「…ふう…すまんな、ところでジョジョ、
 いやジョースター一族よ、本当は最後の最後でお前らに
 会いに行こうと思ったが気が変わってな…。
 (まったくお前らと来たら話しも進めないで
  ポーカーやら、ミッション遂行ばっかり…。)
 せめて顔見せだけでもしておこうと思って
 こうしてお…。」

ジョナサン
「あれは本当にディオなのか…?
 全然似てない…とは言わないまでも…
 あんなに変わり果ててしまうとは…。」

承太郎
「確かにあんな派手じゃなかったぜ。
 決して地味でもなかったけどな。
 前々から思っていたが本当に目立ちたがりな奴だぜ。」

仗助
「俺も今までいろんな奴みてきたっすけど
 あそこまで自己主張激しいやつ見たことないっす。
 顔に名前が書いてあるし…。」

ようやくDIOに注目したと思ったら今度は
彼の言動より格好のほうを注目し始める。
DIOを指さしあれやこれやと騒ぎ出す。
そんな中、黙ってモニターを見つめる少年が一人。
ジョルノだけは真剣にDIOだけを見つめていた。

ジョルノ
「あれが…僕の父さん…。」

目の前の父親の姿に写真入れをぎゅっと握りしめ、
微動だにしない少年。いったい彼の心中はどんなものだろう。
その姿を見て、またもや勘違いしたジョナサンがディオを責め立てる。

ジョナサン
「(ジョルノ…。あんな男が父親なんてさぞ…!)
 ディオ!今の彼の気持ちが判るか!
 普通の父親との再会を夢見ていた彼の気持ちが!」

ディオ
「…二ヤリ。(※DIOチラ見。)」

DIO
…。ジョナサン、それは俺の息子だ。
 昔の俺のではない。さっきも言ったが
 俺に訴えたければ俺を見て話せ!

ジョナサン
「分からない…ディオはDIOだろう?彼は
 いったい何を言ってるんだ?」

老ジョセフ
さささ…さあのう?(;'∀')

ジョセフ
「…。」

文字通り身内もめをしているさなか、ジョルノのほかに
じっとDIOを見つめるまなざしが一つ。
さっきまでやかましいほど騒いでいたジョセフが
今は何故か無言で考え込んでいる。

承太郎
「さっきから静かじゃねーか、どうしたんだよ?」

ジョセフ
「え?何?ごめん!なんか話進んでた?
 いやーさっきから股間部分が気になって気になって。」

承太郎
「あ?てめーの股間か?」

ジョセフ
「ちげーよ!あいつの股間だよ!ほらー…やけに
 強調されてねー?」

そう言ってジョセフがDIOの股間辺りを指差す。
確かに股間を強調するようなデザインになっているようだが
だからどうしたのだといわんばかりに
下ネタが嫌いな承太郎に、思いきり冷めた目で睨まれる。

承太郎
「てめー…そんな下らん所を注目してたのか?」

ジョセフ
「下らんってゆーのは認めるけどよ
 なんか気にならない?女の子は
 胸部分が目立つと気になるけど
 男はやっぱり股間が目立つと気になるだろ?
 なあ!お前もそう思うだろ?
 あいつの股間目立つよな!?」

ジョルノ
「え?僕ですか!?いえ…その…!!

いきなりジョセフに同意を求められ、さっきから顔しか
見ていなかったジョルノの視線が無意識にDIOの股間に
注がれる。しかしジョルノも下ネタに免疫がなく
困ったように慌てて視線を逸らす。

老ジョセフ
「コリャ!!!子供になんちゅうことを聞くんじゃ!
 す…すまんの、気にしないでくれ…。」

仗助
「あ、俺ジョセフさんの言い分何かわかるっす。
 昔お袋に連れられてバレエ見に行ったことあるんすけど
 男ダンサーのもっこり部分が気になって気になって
 内容ちっとも入ってこなかった記憶があるっす!」

母の朋子に感想を聞かれたときに「あそこが大きかった!」
って言ったらどつかれた記憶があると、笑い飛ばしながら仗助が話す。
それを聞いてジョセフも笑いながらバシバシと仗助の背中を叩いた。

ジョセフ
「だろーー!!お前、話判るじゃん!!」

承太郎
さすがてめーの息子だな。下ネタ耐性がありやがる。

老ジョセフ
(あの子はそんな子じゃないわい!逆にお前がなさすぎるんじゃ!)

ジョナサン
「や…やめるんだ!二人とも!!
 いくら同性でもそんなことは
 口にすることじゃないぞ!?
 いいかい!?紳士と言うものは…!!」

あまりにも下品な内容に真面目紳士のジョナサンが
慌てて二人を窘める。一方、注目はしてくれたものの
別の部分に注目されたDIOの怒りメータもひしひしと
上昇しているのは言うまでもない。

DIO
…お前らは俺に喧嘩を売っているのか…?

ヴァニラ
「だから申し上げたはずです。DIO様の大事な
 ご子息と…ロール…いや、失礼…。
 ジョナサンという男以外は早々に血祭りに
 あげてしまった方がいいと…。」

承太郎
「おい、どうやらご立腹だぜ、今は波風
 立てない方がいんじゃねーの?」

老ジョセフ
「全くじゃ!すまんすまん、話を続けてくれ!」

DIO
「…ふん、まあいい。今回だけは大目に見よう。
 だが次はないからな…。それで話というのは…。」

ようやく本題に入れたかとばかりにDIOが訳を話す。
しかしジョセフの余計な一言のせいで肝心な話の内容は
誰一人として耳に入っていなかった。

承太郎
(くそ…あいつが変なこと言うから股間が気になって
 話が入ってこねーじゃねーか…。)

ジョセフ
(えー…皆クールぶってるけど
 絶対気になってるって。)

老ジョセフ
(ああ、わしゃーどうすればいいんじゃ、
 今回も責任取らされそう。)

仗助
(やべー…話聞いてねーと承太郎さんとかに
 怒られそうだぜ、でも気になったら止まらねーんだよな。)

ジョナサン
(…くっ…見てはいけない!はっ…ジョルノ。
 こ…子供にあんな場所を見せてはいけない!)

ジョルノ
(こ…股間なんて今は関係ないだろう?でも…確かに何か
 気になる…いや…!話に集中するんだ!…えっ?)

DIO
「と言うわけで…おい、ジョナサン。」

ジョナサン
「な…なんだ、話は終わったのか?」

DIO
「なぜジョルノの目を隠す?しかもお前も目を逸らしているし。」

DIOの問いかけにようやくみんな我に返り振り返る。
そこには目をそらしたジョナサンと、なぜか目隠しをされた
ジョルノがたたずんでいた。

ジョナサン
「か…関係ないだろう?話は声が聞こえれば
 判ることだ!!」

DIO
「なら俺が話したことを言ってもらおうか?」

ジョナサン
「え…その…。」

DIO
「…もういい…。お前らの言いたいことは
 良ーく判った…。」

そう言いながらうつむいたままゆっくりと席を立つ。
表情は見えないが決して笑顔ではないことは分かる。

仗助
「あちゃー、怒らせちまったすかねー。」

承太郎
「じじい、てめーのせいだぞ、責任とれ。」

老ジョセフ
「わしじゃない!昔のわしが…あ、わしか…。」

老いた自分と承太郎から責めるように睨まれ
いたたまれなくなったジョセフが責任転嫁するように
DIOを指さし抗議する。

ジョセフ
「大体おめーが悪いぜ!?そんな「見てください」
 と言わんばかりの服を着ているから…。」

ヴァニラ
「やはり殺りましょう。あの二人以外は…。」

DIO
「まあ待て、俺を見損なうな…そんなことで
 いちいちカッカしていたら身が持たない…。
 だが…灸くらい据えてやらんとな…。」

承太郎
「俺は今戦(や)りあっても構わないぜ?」

DIO
「戦うだと?馬鹿いえ、死刑執行を戦いとは言わん。
 どうもお前らは俺の股間に異様に興味が
 あるらしいからな。実際に体で味わって
 貰おうと思っただけだ。というわけで今からそちらに
 いく。ケツでも洗って待っておくんだな。
 ああ、じじいよ、お前だけは襲わんから安心しろ。
 逃げてもいいぞ、代わりに若いころのお前に
 責任をとってもらうからな。」

獣のようなDIOの眼光に一同金縛りのように動けなくなる。
どうやら本気らしい。一方蚊帳の外の老ジョセフだけは
安堵した様子で額の汗を拭っていた。


老ジョセフ
「ふーーーー。」

ジョセフ
「何、安心してるんだ!!くそじじい!若いころの
 わが身が可愛くないのかよ!!」

老ジョセフ
「残念じゃが自業自得というやつじゃな。」

承太郎
「それには超同感だぜ!できれば全員分の責任を
 負わせてぇくらいだ!」

仗助
「え?つまり俺ら掘られるってこと!?」

ジョナサン
「「掘られる」ってなんだい?」

ジョルノ
「ぼ…僕にきかれても判りません。」

最近の言葉の意味が分からず思わず素でジョルノに尋ねるが
真面目なジョルノがそんな言葉をたとえ知っていても
意味を口にすることはできないだろう。
見かねた承太郎が仕方なしにジョナサンに教える。

承太郎
「…いいたくねーけど、レイプってことだろうよ。」

ジョナサン
「し…正気か!ディオ!!僕たちは男なんだぞ!!
 そこまで堕ちたのか!?はっ…まさか
 この部屋の外の女性達に…させない!!」

ディオ
(…こいつ…。俺がそれらしきことを何度も口走って
 きたのにいままでどういう意味で受け取っていたんだ?)

ジョナサンに好意を持っているディオは
会うたびにセクハラをしたり想いを打ち明けたり
していたのだがジョナサンは全く気付いて
くれてなかったのだろうか。鈍いにもほどがあるだろう?、
だがそこがいいとディオは思わずにいられなかった。
するとさっきまでディオを拘束していたスタンドが
突然解除され、ようやく言動の自由を与えられる。
どうやらヴァニラという男が
DIOの支持で何かの支度をしに行ったからのようだ。

ディオ
「ふー…(…やっと解放されたか。)
 …だとさ、未来の俺よ。女性目当てなのかだそうだ。」

DIO
「安心しろ…、女は飽きたから襲わないし
 狙うのは今そこにいるジョースター一族だけだ。
 …特にジョナサン…さっきから今に至るまで
 俺を無視した罪は重大だ、貴様には特に
 俺を味わって貰うから覚悟しろ…。

ディオ
「おっと、先に手を出すのはこのディオだ。
 後のはどうでも構わんが
 ジョナサンは後回しにしてもらおう。
 ジョナサンはどうやら俺に一番夢中らしいからな。」

DIO
「ほう…、俺の方が良かったなんて
 言われても知らんぞ…?」

いまだDIO対のいう事をいまいち理解してはいないが、
なんとなく危機を察したジョナサンが慌ててDIO達に申し出る。

ジョナサン
「待て!!ディオ!いや…DIO!
 子供には手を出すな!!」

DIO
「子供とは?俺の息子のことか?それとも
 そこにいる未成年どもか?それを言われると
 お前しか制裁を加えられなくなってしまうからな。
 (じじいは嫌だし…。)子供はいずれ
 大人になっていくものだ。もういろいろ知っても
 いいころだと思うぞ…というわけで
 お前の申し出は受け取れんな…。」

舌なめずりをしながらDIOがモニターに近づく。
この男のことだ。本当に子供が相手でも構わず
やるだろう。ジョナサンは慌ててジョルノのそばに近寄った。

ジョナサン
「くっ…ダメか!ジョルノ…せめて
 君だけでもDIOの魔の手から守ってみせる!」

ジョルノ
「そんな…僕は戦えます!
 あなたの身だって危ないのに危険な
 真似はしないで下さい!」

ジョセフ
「あっ、いいなー!」

老ジョセフ
「あの子はこの中で一番幼いんじゃ、
 女、子供を優先して守るのは当然じゃろ?
 じゃ、わしも息子を守るかの。」

仗助
「お、俺は心配ねーぜ、俺みたいなの襲われねーって。
 親父こそ無理すんなよな。」

美しい親子愛とでもいおうか、ジョナサンはジョルノを
老ジョセフは仗助をかばうように前に立つ。
一方、自分の身は自分で守らなければならない立場の
ジョセフと承太郎はその様子を呆然と眺めていた。

承太郎
「美しい話じゃねーか。おい、ジョセフてめーは当然…。」

ジョセフ
「なんでおめーを守らなきゃならねーんだよ。
 確かにおめーよりも年上だし未来の孫かも
 しれねーけど、体格あんまし変わんねーし
 必要ねーだろ!だいたい俺自身もあぶねーのに!」

承太郎
「勿論守らなくってもいいぜ、
 代わりに犠牲になってくれれば十分だ。」

ジョセフ
「にゃにおーー!!」

DIO
こんにちわ、生贄ども★

いきなりDIOの声が近くに聞こえ
全員の心臓が跳ねあがる。
それもそのはずでこの声はモニターからの声ではなく
生の声だからだ。そしてもう一人よく似た声がジョナサンの
すぐ背後で聞こえる。

ディオ
「ジョジョ…いやジョナサン…待たせて
 悪かったなあ…。」

ジョセフ
「のーーー!早いーーー!!!」

ジョナサン
「やめるんだ!!制裁なら僕が全部請け負うから
 彼らには手を出すんじゃない!」

承太郎
その前にどうやってこの場所に来たのか
 誰も突っ込まねーのかよ!

DIO
「心配するな、お前だけが請け負う事じゃない。
 お前「も」請け負うんだ。うむ…いい絵だ。
 ジョナサンよ、その俺の息子はお前の息子でも
 あるんだぞ。美しいじゃないか子供を必死で守る
 母とそんな母をかばう息子…。」

ジョルノ
「え…?あの…そうなんですか?
 僕の父と結婚しているので…?」

まさか自分の父がそっちの趣味だとは思っていないジョルノは
思いきり目を丸くする。おそらくDIOの体がジョナサンの体だとは
まだバレていないだろうが、いきなりの急展開にジョルノは
二の句が言えなくなる。一方、思いきり幻滅されたと
勘違いしたジョナサンは慌てて弁解する。

ジョナサン
「し…してないし聞いてないぞ!そんな話!
 どうせまた変なことを言って僕を困らせようとしているんだろ!
 デ…いや、DIO!冗談がひどすぎるぞ!」

仗助
「へーーー…俺、ジョナサンさんって男かと思ってた。」

承太郎
「…いや、男だろうよ、どう見ても。」

ジョセフ
「日本じゃ珍しい事だけどこっちでは
 よくあることだからなーーー…。」

仗助
「へーー外国ってスゲー!」

ジョナサン
「ご…誤解されてるじゃないか!!どうしてくれるんだ!
 ディオも何とか言ったらどうだ!君だって
 さげすまれることになるんだぞ!」

素直に感心しているだけの仗助に、あきれられたと勘違いした
ジョナサンはますます焦ってムキになる。
ちなみに同性愛に関して誰も軽蔑はしていない。
ジョセフやジョルノのように、すでに「周囲に公認の彼氏」がいる人間が
当たり前のようにいる中で、いまさらという感じなのだろう。因みに
ジョナサンは気づいていないが、スピードワゴンに恋心を抱かれているのも
すでに周囲には知れ渡っている。

ディオ
「俺は構わん、一般常識などとうに捨てたわ。」

ジョナサン
「な…なんてことを!!違うんだジョルノ!
 たしかにDIOとはともに暮らしてきたことがあるけれど…。」

DIO
「そうだ…当然、お互いのほくろの数まで知っている仲だ。」

ジョナサン
違うーーー!!!!

ジョルノ
「落ち着いてください母さん!!僕は別に
 軽蔑なんてしていません!」

DIO
「ほら息子も母と認めたぞ?さあ…
 こちらに来い…愛しき我が妻と子よ…。
 たっぷり愛を教えてやろうじゃないか。
 まあその前にそこの小僧どもを犯らなければならんがな。」

ジョルノ
「僕には好きな人が…!!」

DIO
「聞こえんな。パードレ以外の男と
 寝るのは許さんぞ。」

老ジョセフ
「待つんじゃ!!襲うなら後先短いわしを襲え!!」

DIO
「爺は襲わん。」

ディオ
「俺もだ、最も俺はジョナサンしか見ていないが。」

老ジョセフ
「ほっ…。」

承太郎
「再確認して安心してんじゃねぇ!!じじい!!
 前からくるぞ!!気を付けろ!!」

DIO
「バックアタックも得意だぞ。」

結局五人同時にDIOに技をぶち込むも一ポイントも
ダメージを与えることができず、
結局ジョセフの最大奥義「逃げるんだよーお!」で
ぶじに外に逃亡するが、しばらくの間亀は使えず
わざわざ金を払って大人数で宿に泊まることを
余儀なくされた。





ゲームのあらすじ&感想

ps4で出てきたのかと勘違いし諦めていたのですが
ps3でも出ていたので即買いしました。
ゲームの大まかなあらすじとしては
なんと時代を超えたジョースター一族と
その仲間が出会い共に旅をしていくというもので
いろいろな組み合わせで話を進めるのがとても
楽しかったです。

主に格ゲー仕様ですが少しアクションRPGも
混ざっている感じでやりやすかったです。
魅力としては色々な組み合わせで共に戦えることも
さることながら、信頼度というものも存在し
仲を深めれば深めるほどセリフとかデモシーンも
変わっていくのがジョジョ同人ファンとしては
堪らなくグッドな感じです。
皆もこれでもかとばかりにおしゃべりしてくれるし、
今までならあり得ないコンビネーションを組んで
相性を深めることもできます。
やりこみ要素が何より莫大で、私もまだ本編は
終わっていません。(もうだいぶ詰めのほうまで
来ているのですが・・・。)

承太郎が主人公ポジションなので
彼のファンなら多分買っても損はないと思います。
それに今度は意外なことにスピードワゴンも
重要なポジションについている上に彼で
闘うこともできます。(初代DIOに挑んで
 勝ちました。)
それに戦う相手によってセリフが変わったり
組んでいる相手によってセリフが変わったり
するのも最大の魅力だと思います。

因みにコンビで戦う時、そのキャラ達のデモシーンが
必ず出てくるのですが、仲がいいとかなりぴったり
二人がくっついて出てくれるようです。
(全員がそうかはわかりませんが)
たまたまやったミスタとジョルノが
大丈夫かこれ・・・というほど密着していたのには
結構驚きました。
※ただし戦う敵が自分たちに関係がある場合
見せてくれなくなる時もあります。
因みにジョナサンは意外にもカーズに反応しました(石仮面のことで)

諦めていた敵とのタッグもフリーバトルモードなら組めるので
ぜひお楽しみください。信頼度はのびませんが・・・。
ジョナサンとディオ(DIO)とかの夢のツープランド攻撃も可能です。
普段なら絶対聞けないことを言い合ってくれます。(悦)
親子もさっそく組んでみました。DIOが意外と父親してました。
それにしてもジョルノがDIOの前だとあんなに反抗期の
子供っぽくなるのには意外でした。

他のキャラでもぜひ試してみたいです!
皆さんも買う予定があるなら好きなキャラ同士を
くっつけて妄想を楽しんでください。

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