古代から男は戦う生き物として生まれてきた。文明が発達してからは 武器や兵器などを使って戦っているが、 昔は己の肉体のみをぶつけ合い、その力を競っていた。 武器や鎧など頼らず、また武器などを所持していない 証に裸で行われていた戦いもあった。 そして文明が発達している現代でも、その戦い方で 決着をつけようとする若者達がいた。 {第一次全裸対戦} 「と、言うわけだ。さあ、かかって来い!」 「何が、と言う訳だ!!上半身だけならともかく なんで全裸で戦わなきゃいけないんだ!!」 二人の間に緊張が走る、気を抜けばやられてしまう。 否、正確に言えば緊張しているのは ジョナサンだけなのかもしれない。 理由は先ほどジョナサンが叫んだ通り、 自分たちが「全裸」だからだ。 何故全裸になっているのかジョナサンは勿論の事、 ディオにさえ判らない。 ジョナサンがディオを探している時は 確かに衣服を身に着けていた。 ディオもジョナサンに会うまでは衣服を 身に着けていたという。 二人が出会った衝撃の瞬間にその事件は起きたのだ。 いきなり肌寒い感覚がジョナサンを襲い、 何げなく自分の体を見渡すと 首からつま先まで今まで身に着けていた 衣服と言う衣服が何もなくなっていた。 きっとディオの仕業だと思い、睨みつける彼の体も 何故か全裸になっていた。 ディオ本人も不思議そうに自分の体を見渡していた。 それこそ「なんという神のいたずら」とでもいうやつなのだろう。 「神が言っている「裸で戦え」と・・・諦めるんだな。 この俺だってヌードで戦うのだぞ?ああ・・・恥ずかしい。」 そういいながらディオが片手で顔を隠す。 しかし口元はばっちり歪んでいるのを ジョナサンは見逃さなかった。 「嘘付け!!まんざらでもない顔をして、惜しげもなく 見せてるじゃないか!その・・大事なところとか!」 「当たり前だ。俺はボディに自信があるのでな。 だが多少は謙虚にならんと感じが悪いだろうから 建前上、そう言ったまでだ。・・俺は構わないが 仲間がそろそろ来るのではないか?」 にやりと笑うディオにジョナサンの肝が一瞬冷える。 慌てて辺りを見回すが、幸いな事に この部屋には自分とディオしかいない。 仲間は今、外で待たせているがジョナサンが帰ってこなければ 心配して必ず迎えに来るだろう。 「うぐ・・・・。(困)」 せめて股間くらいは隠したい、 そう願いながら何か布のようなものがないか探すが、 ディオにはまるっと見通されているようで、すぐ牽制される。 「カーテンとかそういった布の類を腰に巻き付けようなど 思わん事だな。そのときはすぐさま火をつける。 大事なところに火傷を負っては、子孫を 残せなくなるのではないか?くくく・・・。」 「卑怯だぞ!」 「それは心外だな。この俺も同条件で戦っているのだ。 不利なのはお互い様だ。さあ、時間稼ぎはもう いいか?いつまでも片手で股間を隠している貴様が どれ程俺と渡り合えるか楽しみだな。」 日本のように裸の付き合いのない文化で 生きていたせいもあるが、 ジョナサン自身がもともと純情で 真面目なせいもあって、同性のディオにも 裸を(主に下半身)を見せるのをためらっているのか 彼はさっきから片手で股間を隠していた。 「うっ・・(落ち着け!落ち着くんだ。こういう時は 素数を数えて・・じゃなくて !(←ぼけツッコミ) ディオの言うとおりここには僕とやつしかいない! 僕は裸だがディオも裸。しかも同性じゃないか! 恥ずかしがる僕が可笑しいんだ!・・よし。吹っ切れたぞ!)」 そうなのだ、戦いと言うものは格好が肝心ではないのだ。 例えそれがありえない格好だとしても、 「恥ずかしいからやんぴにしない?」 などという 甘えは許されない。 「衣服は燃やされてないんだ! それでも今は戦う事が必要なんだ!」と懸命に (※無理やりとも言います)ジョナサンは思い込む事にした。 「ほう・・吹っ切れたようだな。そうこなくては ・・・だが・・貧弱貧弱ぅ!」 そう言うなり、素早いスピードで間合いを詰める。 ディオの目にも止まらない猛攻をジョナサンは両腕で必死に防ぐ。 体に走る凄まじい衝撃、衣服を身に着けていない分、攻撃の余波を もろに体で受け止めてしまう。 いくら鍛えていても、人間の体はデリケートなもので 体のあちこちにかすり傷を作っていく。 「くっ!!何の!!」 「ふっ!なんとも他愛無いものよ!」 辛うじて追撃を防ぐ、考え事すら出来ない状態のさなかではあるが ジョナサンにはどうしても腑に落ちない事があった。 「・・・ディオ!!さっきから何で僕の下半身を 見つめながら攻撃しているんだ!そういえば攻撃も 下半身に集中させているようにも見えるし・・!」 「当たり前だ。弱点を攻めるのが最も効率のよい戦法だからな!」 馬鹿にしたような笑みを浮かべ、 ディオがジョナサンの股間辺りを見つめる。 それに気づいたジョナサンはいたたまれなくなり 思わず再度股間を手で隠す。 「いや・・弱点は弱点だけど・・・・!そう言う所を狙うのって もはや卑怯とかの話じゃなくてモラルの問題なんじゃないのか!?」 「俺はもはや人間を止めた男だ。今更人間の常識など・・・。ふっ。」 「格好つけるな!やってる事は最低だぞ!」 「お前、死闘を舐めているのか?俺から 言わせればお前の方がどうかと思うぞ? 生きるか死ぬかの戦いで相手に、「着替えたいから待って」とか 「ここは弱いから狙わないでね」とか 言うのってどうよって言いたいがな。」 ディオの指摘にジョナサンがふたたび黙り込む。 ジョナサンの言い分も最もだがディオの言い分も間違っていない。 明らかに顔を赤くして困り果てるジョナサンを 冷めた目で見ていたディオだったが 何を思ったのか戦う事を中断し、近くの椅子に 座り足を組んでくつろぎ始める。 バカにするようなその態度を見て、 ジョナサンは再度怒りをあらわにする。 「何で座るんだ!戦いの途中で!僕を馬鹿にしているのか!」 「片手で股間を隠している奴なんかと本気で戦えるか。」 「う・・・・。」 またもやディオに正論を突き付けられ、ジョナサンは気まずそうに 未練がましく股間を隠している方の手を見つめる。 曝け出すことの恥ずかしさはまだあるが、 羞恥に関してはもう吹っ切ったはずだ。 なら未だにためらっている理由は何か、 それはそこの脆さと痛みに対してかもしれない。 どんなに鍛えても「急所」の脆さと痛みだけはどうにもならない、 だから隠してしまうのだ。 しかしディオはさっきから「急所」を隠そうとしない。 人間をやめたディオにとって「急所」と言うものは、 なくなっているからなのだろうか。 「今のお前の状態を女々しいというのだ・・。判るか?」 ディオにさらに馬鹿にされ、 慌てて股間を隠している方の手をどかす。 しかし、どうしてもディオにそこばかりを見られているような気がして (※実際見ています)再び手で隠してしまう。 「フン・・また片手で股間など隠しおって・・。余程自信がないのだな。 まあ、俺の方が「立派」だからな。劣等感を抱いて恥ずかしがるのも 無理はない。似たような体格なのになぁ・・・。 所詮温室育ちのバラはその花はでかくても、 おしべの部分は細くて弱いと言うわけだ。」 そう言いながら再びニヤつきながらジョナサン (の股間)を見つめるディオに必死で反論する。 「そ・・そんなことはない!!大きさだって そ・・そんなに変わらないじゃないか!!」 そうは言い張るものの、ジョナサンの決して片手を 股間からどかそうとはしないその姿に説得力など全くなかった。 勿論彼の股間など見たことないジョナサンにとって今のセリフは タダの負け惜しみから出たセリフだ。 しかしディオがジョナサンの股間を知っているかは謎だが。 「そうかぁ?遠くてよく判らんな。こうやって 見る分は俺の方が大きい気がするぞ?」 わざと遠くを見るようにディオは目を細める。 ジョナサンが隠しているのでわからないのは当然なのだが、 肝心の本人がそれに気づいていないようで、 顔を真っ赤に反論してくるのが ディオにはたまらなく愉快だった。 「絶対僕と変わらない!」 「だから、遠くて判らん。もっと傍に来い。 大丈夫だ。純粋に比べたいだけだ。お前を 攻撃したりしない。お前がそうまで言い張るならな。 俺もこういうことは、はっきりさせたい性質でな。 もしお前の方がデカかったら俺は多分 精神的ダメージが相当来てしまうだろうな・・・。」 「え・・・(精神的ダメージが?卑怯かも しれないけど・・戦いが有利になるかも・・。)」 わざと弱気な発言をするディオにジョナサンは あっさり騙され気が緩む。 ディオが弱音を吐くのは相手を油断させるときに使う手なのだが、 今のジョナサンはその芝居に気づく余裕がなかった。 思わず片手で隠す事を忘れて、ディオの 提案にどう答えを出すべきか悩んでいる。 それをみてもう一息だと睨んだディオは更に提案する。 「まんざらでもなさそうだな。(馬鹿め。とっくに 下調べ済みよ!おれのほうがデカイわ。) さっきも宣言したが、痛い事はしない。 (痛がる痛がらないは貴様の根性の問題だしな。) こんなとこで比べ合いもなんだから、俺の寝室 でも行くか・・・。貴様がどうしてもここで したいというなら構わんが、目撃した仲間がどう思うかな・・。」 嫌みったらしく、その上いやらしい言い方をして わざとドアの外をちらりと見やる。 ジョナサンもそれに釣られて慌ててドアの方へ視線を向ける。 その表情はどこか青ざめ、ディオは完全に 自分のペースにはまったことを確信する。 (これで勝つるな・・・。) ジョナサンは純粋で騙されやすさには定評のある男だ。 それはディオだけでなく誰もが知っていて、 知らないのはジョナサンだけだ。 ジョナサンはいよいよ覚悟を決めたらしく、 男らしくその申し出を受け入れる。 「わ・・判ったよ。白黒はっきりつけてやる!」 「よし!よく言った。さぁ行こうか。(快楽の園へ。)」 そしてディオはジョナサンをつれて 寝室へと入っていった。 一刻も早くやりたいディオはベットに座らせようとするが 当のジョナサンは座っていたら判らないと拒み、 立ったまま比べることを望んだ。 心の中で舌打ちをしながら、 何とかいいセクハラの方法がないか考える。 「で・・・どうやって測るんだ?早く終わらせよう。」 「そうだな・・・じっくり見てじっくり巻き尺か何かで測ってみよう。」 「じっくりじゃなく手早くな!」 ジョナサンにとってこの行為はどうでもいいおまけの様なものだ。 しきりにディオを急かすが、 ディオにとっては戦いこそおまけの様なもので むしろこちらの方にたっぷりと時間をかけたいようだ。 「お袋さんの方も図らんとな。」 「そ・・そっちは関係ないだろ!!」 「間抜けが、男のシンボルはこの二つのセットが揃って一つなんだぞ。 どちらが欠けても意味がない。」 確かにディオの言う通り二つで一つなのだろうが、 お袋さんのサイズでの見栄の張り合いなんて聞いたことがない.。 ジョナサンも負けじと反論する。 「た・・・例えお袋さんが大きくても肝心な方が小さかったら な・・・なんかかっこ悪いじゃないか!!置物の狸みたいで! だから不許可!お袋さんのサイズ測定は不許可!!」 「ち・・・、仕方がない。(まあいい、 後でじっくりいじくりまわせばいいか・・。)」 そんなこんなで一分後、ディオの思い通りに 描いたシナリオ(悲劇とも言う)がジョナサンを襲う。 「くっ・・・・・。」 「だから言っただろ。だか安心しろ、後ろのほうは俺より立派だぞ。」 思わず悲しみで両手で顔を覆うジョナサンをディオが慰める。 勿論心の底から同情しているわけではないが。 「それってただ尻がでかいってことだろ?ちっとも嬉しかないよ!!」 涙目で文句を言うジョナサンの肩をディオが宥める様に優しく掴む。 「ふっ・・・まぁ、そう落胆するな。勝負は本領発揮してからだぞ。」 「え・・・?どういうことだい?」 「通常時より膨張時が肝心だと言う事だ。」 「えっ・・・それって勃・・・////!! な・・なんて卑猥な事を言うんだ君は! いいよ!そんなことしなくても!! 君の勝ちだよ!!勿論大きさに関してはだけど!」 思わず身じろぐが、ディオはそれを許さず 強い力でジョナサンを掴むと真剣な眼差しと 力強い口調で自分の意思(欲望)を伝える。 「貴様がいくら負けを認めようと、俺の性質上 この眼ではっきり確かめるまでは無理だな。」 「だって!どうやって膨張・・させるんだよ!」 「俺に任せろ、三十秒だ。三十秒あれば貴様のは 大きく出来る。心配するな、大きくなった後の ケアはちゃんとしてやるから。 まあ俺の分のケアもお前の体でしてもらうがな・・。」 最後に意味深な言葉を口に出し、 爽やかに笑う彼の赤い瞳が怪しく光る。 中学の教科書レベルの性の知識でジョナサンは一生懸命考える。 今自分は非常に無防備な状態だ。(全裸だし) そして、ジョナサンもディオもベットの上にいる。 いつの間に迫ってきたのかディオがジョナサンの 体にのしかかるような体制になっている。 ニブチンのジョナサンでもこれから起こるであろう 悲劇にうすうすと気づき始める。 「・・・・!!ちょっと待って・・。まさか・・ まさかと思うけど・・・いまから・・性・・・。」 「「行為」か?その通りだ。女の役目は貴様だがな。」 「僕は男だぞ!!」 「見ればわかるわ、だから「役目」といったろうが。」 さらにディオの重みが加わり、ジョナサンはますます ベットに身をうずめていく。 生命以外の危険を感じ、波紋の呼吸を練るもうまく練れない。 ディオはジョナサンを逃がさぬようにがっちりと掴んでいる。 命は奪われないものの、彼はきっと他の大事なものを奪うだろう。 ニタリと笑うディオの邪悪な笑みにジョナサンの体が総毛だつ。 「ギャアアア!!まて!!止すんだ!!ちょっと待て! あっ!そ・・・そんなとこに手を・・ギャーーーー!? ちょっとまて考え直せもう一度!!だ・・・だめだ・・そこは・・。 じゃなくて!・・・・あーっ!おとーさーん!!」 断末魔のような叫び声も、その後のいろんな声も 幸いな事に誰にも聞かれなかったようだが ジョナサンにとっては悪夢のような時間が 流れていった事には違いなかった。 その後衣服は着させてもらったが、ぐったりして床に突っ伏していた ジョナサンは仲間の手により救出されたが彼は涙を流すばかりで、 その理由は決して語ろうとはしなかった。 余談ではあるがこの後、ディオが下僕達に「今日は気分がいいから 見逃してやれ」というおふれをだしたせいでジョジョ一行に 追っ手もなくその日は平穏な一日が過ごせたという。 (※ただしジョナサンの心中は省きます。) 終 |