この作品はディオがジョナサンに対し 思いっきりのろけていますので そういうの苦手と言う方は無理をなさらず お戻りください。しかも脇役でウホッな男達が わんさか出てきます。変態度高し。 ですがエロシーンはないです。 【人の情事を邪魔する奴は・・。】 貴様は今どうしているだろうか・・ 必死で「屈辱」を忘れるようにしているのだろうか・・ それとも「屈辱」を乗り越えようとしているのだろうか・・ どちらでもいい・・・。どちらでも。 再び会えば、また俺は「屈辱」を与えてやるだけ。 その時貴様はさらに傷つくだろうか。それとも 更に強くなるだろうか。 次に会うときには俺の顔をまっすぐ見れるだろうか。 その穢れ無い瞳で俺を睨むだろうか。 それとも「屈辱」を思い出し思わず 瞳を逸らすだろうか・・・ どちらでもいい。どちらでも。 どちらも想像するだけで興奮してくるようだ・・・。 ディオの口から笑みがこぼれる。 「あの時」のことが未だ忘れられない。 濡れた翡翠の瞳で自分を睨むあの男を。 屈辱に必死に耐え、それでも生を諦めす 誇りを捨てないあの男を。 あの気高い魂を。 何度も何度も楽しめる。お気に入りのゲームのように。 勝利を何度も愉しめる。決して飽きることのない、 俺のお気にいりのオモチャ。 (俺が飽きるときはそのオモチャが壊れた時だ・・・。) ディオはふと、棚に飾ってある宝石を一つとる。 他の宝石に比べると小さいが 美しく輝き続けるダイヤ。 それを掴むと覗くようにそれを見つめる。 (貴様の魂はまるでダイヤのようだ。初めはみすぼらしい石だが俺が 削って磨いて、削っていって、今の輝くような魂ができあがった。) 動かすときらり、またきらりと光る。 (俺はな・・いつかダイヤに自分の名を刻みたいと思っているのだ。 わかるか・・・?ジョジョ・・。この世界一固いと言われる ダイヤに傷をつけるのだ・・・・。) 掌のそれをコロコロと転がす。まるで踊るようにそれは回る。 (不可能だと思うか?いや・・・俺は可能にする。必ずや 俺の名を刻んでやる。お前の…心と体にな!!) 壊れるほど強く握りしめる。そしてゆっくり指を開く。 ダイヤは何もなかったように光り輝いている。 ディオは、ふっと笑うとそれを指ではじき 他の美しい宝石たちの真ん中へおとす。 「お前が主役なのだ。ジョジョ。その小さいが、力強い輝きが 俺を何より惹きつける。その周りのでかくて美しい だけの宝石なぞ、何の魅力もないただの石ころよ。」 (すぐ壊れてしまう美しいだけの宝石などな・・・) ボン・・・ボン・・・・ 懐古時計の時刻を告げる音が聞こえる。 「食事の時間」だ。 ディオはフウとため息をつく。 「つまらん・・・。」 今日は本当に「食事だけ」にしようか。ドアをノックする音 ディオは投げやりに「入れ」と扉の外に命じた。 ドアが開いた瞬間だった。それががくりと崩れ落ちる。 ポタリ、ポタリと血がしたたり落ち、絨毯を濡らすそれは まぎれもなく「最高の食事」だった。 ジリジリと、ろうそくの燃える 音だけが支配する薄暗い豪華な室内。 ディオはベットの傍らに眠る それを嬉しそうに眺める。 俺の寝床にはジョジョがいる。かなりの深手を負っている。 体中から血が流れている。顔色が青ざめ、その瞳は閉じたまま。 しかし息はある。時々苦しそうに唸る声が聞こえる。 長い睫毛が時折震える。 「実にいい声だ・・・」 ディオはうっとりと口元を歪めた。 喜べジョジョ。俺の寝床を血で汚す「許し」を 貴様に与えてやる。 早く目を覚ませ。その翡翠色の瞳を俺に見せろ。 ベットの上で俺に組み敷かれている現実を突きつけられ お前がどんな顔をするのか実に楽しみだ。 この前はすまなかったな。途中で終らせてしまって。 今度ばかりは・・・ 誰の邪魔も入らない。 ディオの口から覗く、白く鋭い歯が静かに光る。 ジジ・・・と、ろうそくの炎が揺らめく・・・今にも消えそうだ。 「おっと・・・・」 ディオが新しい蝋燭に火をつける。 消してなどなるものか。 闇の中でお前を襲うのも一興だが、はっきり 俺に屈辱をされている」とその身に判らせてやらねば ならないからな・・・・。 俺の顔を見ながら 俺に顔を見られながら お前は俺に「食われて」いく。 怒り、憎しみ、そして絶望・・ その瞳はさぞかし俺を興奮させるだろう。 早く起きろ、ジョジョ。体の血が乾いてしまう。 お前の血を味わいながら、ゆっくり「中」に侵食してやる。 なるべく長く、「俺」を感じずにはいられないように・・・。 ディオはジョジョの首の当たりを撫でる。 ピク・・・とジョジョの体が痙攣した。 「貴様は本当に焦らすのがうまいな・・・」 ニヤリと笑うディオだったがふと背後からの気配に 眉をひそめる。 (誰だ?ジョジョの仲間か?いや違う・・・・ この気配はどちらかと言えば・・・・) 「だれだ?朝までこの部屋に近づくなと言ったはずだが?」 思わず不満を声にあらわす。その時ドアの向こうから 小さく何かを呟く声が聞こえる。 「褒美を・・・」 「なに・・・?」 「褒美をください・・・」 その男は小さな声で何度も褒美を求める。 ジョジョでも捕まえてきた男なのか? もしそうなら褒美くらい好きなだけ与えてやろう。 だが・・・・ ディオは拳を握りしめる。 この俺の愉しみの時間を邪魔した罪で、帳消しだ・・・ 「入れ・・・くれてやろう・・・。」 死」という名の褒美をな。 その時ドアが明くと同時に大きな体をした男が ディオに向って飛びかかってきた。 「・・・ふん・」 自分の体を覆わんばかりのその影の正体を ディオは難なくかわす。 勢いよくベットに落ちるそれ。重い体を支えきれずベットに 深く沈む。 うつ伏せに突っ伏していたそれは、ゆっくりと 顔をあげディオを見つめる。 どうやら俺に敵意があるらしい。ならば消してやろう。 出来るだけ残酷にな。 ディオは構えるが、男は何もしてこない。 ただディオを見つめる。気のせいか瞳がうるんでる。 ディオは思わず顔をしかめる。 どういうつもりか判らないがはっきり言って非常に不快だ。 男の顔は、精悍ではあるがごつごつした輪郭で、筋肉隆々の 骨太な男。それともなにか考えがあってしてることなのか? 「何の真似だ・・今更命乞いか?お前は俺に攻撃を 仕掛けに来たのではないのか?まあ・・・そんな気があろうが なかろうが俺の楽しみを邪魔した罪は重い・・・」 「・・・ま・・待ってくれ・・俺・・・」 「何だ。聞くだけ聞いてやる。」 男は俯くとせきを切ったように大声で叫んだ・ 「お・・・俺を「食事」にしてくれ!!」 ・・・・・・・・・・・。 凍りつく空気。ディオの体が震える。 「・・・なるほど・・貴様はこのディオに精神攻撃を 与えに来たのだな・・・確かに効いたぞ・・・猛毒攻撃に加え クリティカルヒットの上にオーバーキルされた 気分だ・・・不愉快だ・・・最高に不愉快だ・・・」 次の瞬間、男の首は宙に舞った。 鮮血が吹きだしゆっくり倒れる男。 ディオは腹ただしげに声を荒げる。 「誰かいないのか!!この汚物をとっとと片付けろ!」 部下が慌てて男をかたずける。 全く冗談にしても気分が悪くなる。口直しだ。 勢いよく後ろを振り返る。その瞬間思わず目を疑う。 ベットに未だ眠っていた筈の男がいない。 男を片づけようとしていた部下を止める。 「ちょっと待て・・・貴様ここに寝ていた男をしらないか?」 「・・・は・・・はい、ですから今片付けようと・・・」 「その汚物ではない!!俺が最初にここに連れ込んだ男だ! ・・・くそ・逃げたか・・本当は意識があったのか? 俺に隙が出来る時を待っていたのか?」 腕を組み、いらただしげに不満を顔に露わにするディオに 恐る恐る部下が口を開く。 「あの・・・その男は青い髪の深手を負っていた男で?」 その瞬間ディオの表情が険しくなる。部下は思わずヒッと身を竦める。 「・・・その男だ。貴様・・奴が逃げるのを指を咥えて見ていたのでは あるまいな・・・・・。」 凄みを効かせて部下を睨むと慌てて部下は首を振る。 「と・・・とんでもない!!」 「ならばどうして・・・?」 「い・・・いえ・・その男ならさっきディオ様の 部屋から吹っ飛ばされて階段を転げ落ちて・・・」 「なんだと!!!?」 ディオが部下の襟首をたくし上げる。 「て・・て・てっきりディオ様に攻撃されてああなったのかと・・。」 涙目になりながら命乞いをする部下を放り投げ、足早に階段を下りていく。 あの男め←(筋肉質の男)もっとむごたらしい殺し方をしとけばよかった。 ディオは歯ぎしりをしながらイラついた足取りで下の階へ歩みを進める。 薄暗い大きな何もない部屋でジョジョは横たわっていた。 かすかだがジョジョの呻く声が聞こえる。内心ほっとするディオだが周りの 景色に三人の男が、ジョジョの傍らにたたずんでいるのを見つけて 顔を曇らせる。 一人の男が足を上げて、動けないジョジョを踏みつぶそうとするその時。 ディオが鋭い声で男らを一喝する。 「おい!そのままその足を下せば、貴様の命はそこまでだと思え!!」 ディオの声に一堂に振り向く男たち。 慌てて膝まづく。どうやら自分の忠実な下僕の様だ。 男たちを気迫だけで退かすと倒れているジョジョを担ぎ上げる。 ディオは男たちを冷たい瞳でギロリと睨む。 「いずれ判ることだが・・・こいつの体に何か新しい傷を見つけたら・・・」 「貴様らは明日を迎えることもなく、ここで果てることになる。」 そう言葉を吐き捨て、そのままマントを翻しジョジョを担ぎ階段へと進む。 まったく・・・くだらない茶番もここまでよ。 冷え込んだ俺の気分を再び熱くさせてくれるのは お前しかいない。 まるで愛する者を見つめるようなまなざしを ジョジョに向けるディオ。 その心の声に反応するかのように瞼がピクリと動く。 ディオは足を止めて彼の顔をじっと見つめる。 幼さを残したその瞳が静かにゆっくりと開いていく。 そしてその瞳は2、3回瞬きをすると、急に 大きく見開かれる。その目は明らかに動揺を隠しきれない ものだった。 見たかったぞ、その翡翠色の瞳・・・。 ディオが残酷な笑みを浮かべる。 「な・・・ディ・・・」 ジョナサンが震える手でディオの腕を振りほどこうとする。 「いきなり悪魔の腕の中に抱かれている気分はどうだ? なあ・・・・ジョジョよ・・・。」 「は・・・はな・・・」 懸命に力を入れているようだが、深手のせいか思うように 力が入らないジョナサンの手をいとも簡単に封じる。 ディオは馬鹿にしたようにジョナサンの鼻先をぺろりと舐めた。 「あ・・・あぶな・・・!」 「・・・何を言っているのだ・・・?」 「う・・・うしろ・・・」 ジョナサンが指差すと後ろに三人の男どもが立っている。 ぎりぎりと凄い気迫で睨みつけている。ただしディオに対してではない。 怒りの矛先はジョナサンのようだった。その瞳は涙ぐんでさえいた。 ディオは背中にとてつもない悪寒を感じた。温まり始めていた気分が 一気に下がっていく。この感じ・・・ 忘れたくても忘れられない、この吐き気を催すような感じ。 さっき味あわされたばっかりだ。 「この男は・・・ディオ様を・・たぶらかし・・・っ」 男たちの涙交じりの言葉をディオの低い声が止める。 「それ以上言うな・・・・」 「お・・・俺たちのディオ様を・・・」 低い嗚咽。途端にディオの体から物凄い衝撃波が はなたれる。 「聞こえなかったのか!!!それ以上言うなといっただろう!!」 あまりの衝撃に三人の男(と、ジョナサンもばっちり)ふきとばされる。 「どいつもこいつも気色が悪い!!文字通り反吐が出るわ!!」 怒りを露わにし、恐ろしい破壊力で男たちに制裁を加える。 男たちはボロボロになりながらも必死で訴える。 「そ・・・そんな!俺達とその男と何が違うんです!!」 その言葉にこれでもかと言わんばかりに、目を見開き まさに鬼の如き形相で、男たちを八つ裂きにする。 「それは本気で言っているのか!!何もかもすべて違うわ!! 体に似合わないあの少年のような声も、 あのあどけない瞳も、お前らにあるのか!!整った鼻も 女には負けるが滑らかな輪郭も、控えめな唇も、何一つ 持ってないではないか!!体も違う!! 筋肉は筋肉でも、おまえらの ゴツゴツとした醜い筋肉質の体と一緒にするな!!」 つい本音が出てしまう。幸か不幸か。 ジョナサンはここにはいないのだけど。 はあはあ・・と己の息遣いが木霊するだけの血なまぐさい空間。 「ジョ〜ジョ・・・・・!!」 あたりを見回す。しかしそこにはバラバラになった男たちしか 転がっていなかった。ディオはすさましい形相で必死に誰かを探す。 (運悪く→(部下にとっては))そこを歩いている部下に目が止まる。 「おい!!!」 当たりに響き渡る大声で部下をよびとめる。 「ひ・・ディオ様!!・・・わたくしめになにか・・・」 明らかにガタガタと怯えてる部下にのしのしと近寄ると 自分より小さなその男を見下ろして、凄みを効かせながら 青い髪の男のこと』を尋ねる。 男は目を逸らしたくてもそらせない恐怖におびえながらも、 正直に答える。 「そそそそ・・その男でしたら一回に通じる 落とし穴に落ちましたが・・。」 「・・・・・・・・・。」 「ひっ・・・ひ・・・ひいー!!」 まるで修羅のようなその形相に、たまらず部下の男は逃げだした。 ディオは拳を握りしめ、今までのうっぷんを晴らすかのように 地面を思い切りたたき割った。 激しい亀裂と共に粉々に砕けたそれは、雨のように落ちていく。 そして下の階に鳴り響く轟音。 下をのぞきながらディオはふと思う。 (・・・・まさかこのがれきの下敷きに なってはしないだろうな) そんなことを考えながらも、颯爽と下の階へと飛び降りる。 相変わらず、ただただ、闇の広がる広い空間。 噴水の音だけがディオの耳に届いた。 (ジョジョはどこだ・・・) よく耳を澄ます。噴水の音に何か違和感を感じ カツカツと近づく。噴水の中では美しい女の像に 力なく凭れ掛かってるジョジョがいた。 とめどなく流れるその水にジョジョの傷の血は 洗われては溢れて流されて、を繰り返している。 閉じていた瞼が開いて翡翠色の瞳がゆっくりと見える。 「何とも官能的な様よ・・・」 ディオが動けないジョジョにゆっくりと近づく。 口元に笑みを浮かべようとするも、すぐ険しい顔に戻る。 そして突然あたりに向って大声で叫ぶ。 「初めに言っておくが、いまこの瞬間を邪魔する奴がいたら そいつは誰であろうが、八つ裂きどころかみじん切りに してやるからそう思え!!!」 広い空間に最後の言葉尻が木霊する中、 小さなこえでジョジョが呟く。 「・・・・あの三人を「屈辱」してまだ・・・たりないのか・・・?」 神経を研ぎ澄ましていないと判らないような小さな声だが、 ディオの耳にはそれがはっきりと届く。 (あ・の・さ・ん・に・ん!?) 肩が震える。ついでに声も。勿論怒りからであるが。 「お・・俺の聞き間違いでなければ・・・「あの三人を屈辱した」そう言った な? 間違いないな・・・・・・?」 「・・・ああ。確かに。」 「お・・お前の言う屈辱は、俺が以前お前にした「屈辱」と 同じ意味合いで言っているわけではなかろうな・・・」 わなわなと両手を震わせるディオ。その背中はジョジョに向けている 為、彼からは見えないが、相当すざましい顔になっている事だろう。 「ちがうのか・・?」 思わずディオはジョジョの襟首をたくし上げ、空いてる手の方で 拳を握りしめる。 「・・・図星なんだな・・・?」 ジョジョの止めの一言で理性が切れそうになる。いったん拳を振り上げよう とするがその一撃で「出口まで吹っ飛ばされて脱出しました。」 なんてオチになる可能性は十分にある。 ディオは深呼吸するとジョジョの襟首から手を離した。 途端にジョジョは咳き込み蹲った。ディオも片膝をつき ジョジョの顔に視線をあわす。 ディオはさっきのジョジョの「読み」を、やんわり否定する。 「俺の生涯に誓って言おう・・・・絶対に絶対に あの男どもに「殺す」以外の行為はしていない!! というか・・・殺すぞと言われてもできん!! そんなことをするくらいなら一万回死ぬ目にあった ほうがましだ!これでもまだ、あの男たちを 性的に辱めたと言い張るなら、貴様の下の口 だけではなく、上の口にもぶっこんでやるからそう思え!」 優しい口調から段々声が荒っぽくなり再度ジョジョの襟首を掴む。 ジョジョが何か言おうと口を開くが、そのまま彼の口から 言葉が発されることはなかった。 ディオが当身を食らわしたのだ。 濡れた体を、ぐったりとディオに預けるジョジョ。 ディオがため息をつく。 (どうしてこうなった・・・ こいつを追い詰めたところまでは楽しかったのに。 楽しくなくなったのは、妙な男どもが出てきからだ。 明日信頼できる部下を集めて「変態狩り」でも するか・・・) ジョジョを担ぎ二階の階段へと向かうディオ。 血の混じった赤い水がディオの衣装も濡らしていく。 (冷たいなジョジョ・・・お前の体は・・。 でも安心しろ・・・今に熱くて熱くて 堪らなくなる。) ふふ・・と笑いがこぼれるも、何を思ったか ディオは一段目にかけた足をそのまま止める。 「・・・・・・・。」 後ろを振り向く。前を凝視する。 どうも嫌な予感がしてならない。 移動方法をかえよう。そうださっきの穴がいい。 あのくらいの高さ、ジョジョひとり担いだところで 何の支障もない。 ディオはがれきの山に登り、上部に空いた穴を見つめる。 ? 暗くてはっきりと判らないが穴が塞がっている感じがする。 いや、違う。俺の眼は闇でも見えるはず。 はっきり見ることを、その正体を確認することを 視覚が拒否しているのだ。 うぞうぞと蠢いた「ソレ」の集団が ディオ目がけて雨のように降り注ぐ。 「ディオ様ーーー愛してますーーーー!」 数えきれない「筋肉」の塊が ディオ達を覆い尽くすのにそう時間はかからなかった。 「ディオ様!!ディオ様!!」 その声で、「悪夢」から目が覚めるディオ。 顔を覆い隠すその手の隙間から、紅い眼が チロリと部下を捉える。ぎくりと部下の体が硬直する。 「も・・もうしわけありません!苦しそうになさっていたので・・・」 ギクシャクする部下の様子を無視し、 ディオは少しいらただしげに口を開く。 「構わん・・・・。よく起こしたと、少しだけほめてやる・・。だが俺は 今非常に目ざめが悪い・・・正当な理由があって 俺の部屋に入ったんだろうな。」 「は・・・はい・・・そのお食事で・・・」 揉み手をしながらにやにやと笑いを浮かべる部下を無視して ディオはベットに寝転がる。そしてぶっきらぼうに 「今夜はいらん。」と部下を追い払おうとした。 部下は慌てて「しかし今夜はディオ様のお目に叶うものを」 と必死に説得しようと試みる。ディオはそれでも無視していたが 部下の「青い髪の男に似た・・・」という部分で「まて」と口をはさむ。 むくりと上半身をおこし、部下に尋ねる。 「それは「男」・・・か?精神的にも肉体的にも強い男・・・と。 奴に容姿が似ている男・・・という意味でなく・・・」 部下が目を丸くする。次の瞬間にやりと笑うその顔で でディオは全てを悟った。 「殺してこい。」 「は・?」 「もう一度言う何人連れてきたか知らんが10秒で 殺してこい。判ったな。二度は言わん。」 「は・・・はいいい!!」 部下は慌てて外で待機している自分の手下に耳打ちする。 その次の瞬間何人かの野太い悲鳴が耳にこびりつく。 ディオはあからかさまに顔をしかめる 「最悪だ・・・最高に最悪だ・・・おい・・お前!」 外にいる部下を呼び戻す。 部下はまるで尻に火が付いたくらいの勢いで ディオのもとへ戻る。命乞いをするように 体はガタガタと震えている。 「悪夢から起こしてくれた礼だ。殺すのだけは止めてやる。 ついでに酷い勘違いをしているお前に、この俺が 「食事集めのコツ」を丁寧に教えてやろう。 俺の「食事」は当分「青い髪の男」にどこか似ている女を連れてこい! 当人なら尚いいが、話の流れ的にお前らじゃ不可能だろう。 判ったな!あの男にどこかしら似た女だぞ!」 ディオの命令に困惑している部下。男に似ている女と 言われても、いまいちピンと来てないようだ。 「・・・想像力の乏しいお前らに飛び切りの アドバイスを与えてやる。あの男の顔は判るな!? ならばそのままあいつを女体化してみろ。首を細くし、 胸を豊満にし腰を括れさせ・・なめらかな柔肌と・・」 ディオの説明に、思考を暫く張り巡らせた部下の 顔がにやりと歪む。どうやらわかったようだ。 どんな姿を想像してるのか、考えただけで腹ただしいが。 「それとこれは奴の少年期のころの写真だ。 こういう顔した女でも構わん。意外と 見つかるはずだ。」 どこに隠し持っていたのか古ぼけた写真をディオが 部下に渡す。今だ鼻の下を伸ばしている部下は にやにやしながら、それを大事そうに受け取る。 出て行こうとしている部下に向ってディオが叫ぶ 「その写真は貴重な写真だ!なくしたり汚したりしたら 貴様の命、それまでだと思え!それとあいつに似た女なら 巨乳だぞ!貧乳は認めんからな!!」 遠くから怯えた部下の返事が聞こえる。 ディオは引き出しにしまってある数枚の過去の写真の 一枚をそっと取った。 自分と並ぶ同い年の少年。当時は憎たらしくて顔を見るだけで イラつきを覚えた。 屈託のない笑顔。色は白黒で判らないが きっと澄んでいるであろうその大きな瞳。 よく考えると、顔の中身は今とあまり変わらない。 柔らかそうな輪郭と子供らしい鼻と今より小さな唇以外は。 「あのとき俺が貴様よりうんと年上だったら、前とは違う 「いじめ方」をしてやれたのにな・・・」 ぺろりと幼い頃の「あいつ」を舐める。それを軽くシーツで拭くと 引き出しの中にしまった。 ディオは何を思ったか、呪術や魔法関係の本をを読み漁り 魔法に長けた人物たちをその財力でかき集める。 これがまさか少年期のジョナサンに何度も苦痛を 与えることになろうとは「二人のジョナサン」には 知る由もなかった。 一方昔のジョースター家では。 大きな庭の噴水に少年が二人夜空を見上げて腰掛けている。 仲たがいを乗り越えて友情を結んだジョナサンとディオだった。 ジョナサン「みて、ディオ星がきれいだね。」 ディオ「ほんとだ・・・(おまえは死兆星でも見つけろ・・・)」 ジョナサン「あ・・・流れ星・・・」 ディオ「お願いでもしようかな(ジョジョが不幸になりますように×3)」 ジョナサン「何をお願いしたんだい?」 ディオ「ひ・み・つ・だよ!(言えるか馬鹿)」 ジョナサン「実は僕も願ったよ。明日もいい日であるといいね。」 ディオ「そうだね(お前にはそういう日は来ないでもいいよ)」 ジョナサン「なんか不思議な事でもおこらないかな・・・」 ディオ「ジョジョは夢見がちだなあ・・(朝起きたら幽閉された部屋の中でし た。とかね☆)」 そんな少年達の思惑が混じる中、星達だけが 何も知らずに小さく輝いていた。 おわり JDAnswer 忍者レコメンド コンタクトレンズ チラシ 印刷 記事を書いてポイントGET 戻る |