ジョジョ病院へようこそ

 
前書き
※皆さんはここでは女性です。
ただし女体ではありません。
みんなの名前が女性らしくなっています。
ジョルノは違和感がないのでそのままです。
DIOはこの当時ではかなり乱暴者です。
設定に突込みが満載でしょうがお付き合いください。





ここはジョジョ病院。まだ新築で小奇麗な大きな病院だ。
そこの一室に、空いた窓から広がる大空を眺めながら
スピード ワゴンは物思いにふける。

やれやれ・・・大けがして病院送りになるとは、
この俺としたことが情けないぜ。

でも体は少しづつ快調に向っているみたいで、
これも看護婦(天使)さんたちのおかげだな。

ふふ・・と笑うもすぐ退屈になり、あくびをする。

あー・・しかし暇だぜ。ただ、この病院ちょっと変わってるよな。
なんつーか看護婦たちが個性的なんだよな。

チャイナガールの看護婦はともかく、馬に乗った看護婦がいたり
 ツッパリの看護婦がいたり・・・

まあ、みんな顔はいいから贅沢言っちゃあいけないか・・・。


その時ドアの外からノックする音が聞こえる。


 「お薬の時間です」


おお、もうそんな時間か。でも初めて聞く声だな。
今度はどんな看護婦かな。色いろ想像しながらスピードワゴンは
首をドアのほうへ向けた。




{JOJO病院へようこそ}





※ここよりスピードワゴン視点になります。


俺はクールに「どうぞ、入ってくれ。」と看護婦を促した。

静かに扉を開けると看護婦は丁寧にお辞儀をして
静かに扉を閉める。おしとやかだな。レディーの鑑だぜ。


今度の看護婦は金髪でチャイナガール風の子と同じくらい
線の細い看護婦だった。前髪が個性的だが上品な顔立ちをしていて
色白だ、歳は十代半ばだろう。


かわいいねえ。ただもう少し胸があったほうが・・い・・いや!
なんて下品なことを考えるんだ俺は・・・反省しなきゃだぜ・・・

ス「初めましてかな・・俺はスピードワゴン。あんたは?」

ジョル「ジョルノです。よろしくお願いします。」

ス「あー!お辞儀なんていいって!気楽にしてくれ。ま、
   俺が言うのもなんだが…」

ジョル「ありがとうございます。はい朝の分のお薬です。」


看護婦は丁寧に水と共に薬を俺の前に置く。
あれ?なんかいつも飲んでる薬と違うようだが・・・
まあ、医者が出してるんだ。信じるか。
俺はクールに粉薬と水を口に入れる。


 突然看護婦がポケットに手を入れるとハッとして叫んだ。



ジョル「あ!!すみません!!それ麻薬です!!」

ス「ぶーーーーーーーーーー!!!」



の・・・飲み込む前でよかったぜ。い・・・いや
それより麻薬をなんで彼女が???

彼女は申し訳なさそうに謝ると俺の口をハンカチでぬぐう。

 「あ、僕のではないんです。実は患者さんが隠し持ってて
 ・・・没収していたんです。すみません取り返しのつかないことを
 するところでしたね。」

そ・・・そうか、彼女のじゃなくてよかったぜ・・・。
それにしても仕方ねえ患者がいたもんだ・・・。

しかし麻薬患者ってあばれたりするんだろ?彼女は大丈夫だったのか?


「ジョルノさんはよう、その・・大丈夫だったのかい?乱暴とか・・。」


ジョルノはこくりとうなずくと


「殴りましたから。」


そう簡潔に言って俺に再度薬を渡した。


え・・・?殴りましたって言ったのか?殴られましたではなく・・・
俺がまた薬を口に入れようとすると彼女にストップをかけられる。


 手に持っている粉薬を彼女はほんの少量掬い取り、口に運んだ。

 「あ・・・はい、これは大丈夫です。」

そういうと再度俺に促した。そうかよかった・・・。

って!そんなことが判るのか!?俺が慌てて聞くと
彼女はいたって冷静な顔で

「マフィアのボスしてたことがあったんで・・・詳しいんです。
  あ・・・でも誤解しないでください。僕は人を苦しめる薬の存在は
 許せないんです。売ってる人はもっと許せないんですけど・・」


そういって軽く会釈すると静かにドアの向こうへ消えて行った。


・・・・なんか個性が強いのは変わらねえみたいだな・・・
明日はどんな看護婦が来るんだろう・・・ちょっぴり不安で
ちょっぴり気になりつつ俺はベットに横になった。


 後日


朝飯を食った俺は特にすることがないのでベットの上でゴロゴロしていた。

 突然コンコンとドアをノックする音がする。俺が返事をする前に
 その人物は入ってきた。どうやら新しい看護婦だ

 ・・・が・・


(・・・でかいな・・・)


第一印象は先ずそれだった。身長は190を超している。
随分長身の女だ。それと・・・こう・・・少し線が
太いような・・・まあ・・・前回の子たちが細かったから
余計そう見えるのかもしれない。それに世界には
長身の女も意外と多い。噂に聞くアマゾネスっていう
女だけの部族も、そのくらいのは、ざらにいるっていうし・・・。


うん、そうだそうに違いねえ。美形だしそれだけでいいじゃねえか。
線が太かろうがそんなこといいんだよ。第一そんなこと
レディーにいう奴は男のクズだ。

 「おい・・・」


俺がいろいろ考えていると、学帽の看護婦はシーツを
両手に抱えながら無表情に俺に言った。


 「ベットメーキングの時間だ。どけ。」



こ・・・この看護婦・・クールだぜ・・・。



 俺は慌ててその場をどく。

 学帽の看護婦はいそいそとベットシーツを替えていく。
だが以外にもその動きは繊細で丁寧だ。


てっきりもっと荒っぽく大雑把にやってこなすと
思ったんだが・・・やはりこの病院の看護婦は
他のとは一味もふた味も違うぜ。


俺が感心していると看護婦がクールに

「・・・・終わったぜ・・・」

と窓の外から景色を眺めながら言う。
手には何か持ってる缶ジュー・・・じゃなくて缶ビールだ。
え?ちょっと・・・まてよ・・


 それって・・・


俺に凝視されているのを判ってか判らずか、看護婦はプシュッと音を
 たててプルトップを外すと一気に喉に流し込む。

ああ・・・うまそうだ・・・ってちがくて!
 俺の視線にようやく気付いたのか看護婦は俺に尋ねる。

 「飲みたいのか?」

薄い青色の瞳をこちらに向けると、俺の返答を
待たずして言葉を続ける。

 「・・・無理だな・・お前は患者だ・・・。」

あ・・・ああ。そうだ。その通りなんだが・・・
病院って「禁酒」じゃなかったっけ?


そんなこと考えていると豪快で大きな声がドアの外から
響き渡る。


 「ちわーーーっす!昼飯の時間でーすっ!!」



ドアを「バン」と足でける。看護婦の両手はトレイで塞がっているから
仕方ないのだろうが、はたしてこれがレディーのすることだろうか。


 新しく入ってきた看護婦に学帽の看護婦がしかめっ面をする・・。


 「・・・ちっ・・今日の昼の配膳・・・オバンの当番かよ・・」


 「ああー?なんだとー?よく聞こえねーなー・・?承子こそ、なにちんたらや
 ってんだよ!」


ズバン!、と・・・俺のサイドボードに勢いよくトレーを置く。
ちなみにスープの半分が飛び散ったのは言うまでもない。


 学帽の看護婦は承子というらしい。俺が唖然と見ていると
 もう一人の美形だが長身で、やはり線の太い看護婦はにかっと笑って
俺に自己紹介をした

「俺あジョセフィーヌってんだ。よろしく!んでこれが妹の承子。
  こんな突っ張ってるし、大雑把そうに見えるが意外と気配りが細かいぜ。
  ぜんっぜん可愛げのない奴だが、まあよろしくな!はははは!」


そう言って俺の肩を叩く。その肩が負傷していた肩でなくて
良かったと思った。

 承「誰が勝手に俺の自己紹介しろっていった?・・・てめえ・・」

承子という看護婦が、ジョセフィーヌという看護婦をすごい勢いで
睨むが、まるっきり相手にしていない、そして俺に尋ねる。

ジョセ「で?どうよ。調子は?」

ス「あ・・ああ。悪くない。」

ジョセ「よーし!そうこなくちゃな!」

そういうとドスッと椅子に座る。ちろりと俺の見舞い品
を眺めるとその中のリンゴを一つとった。

ジョセ「いいもんあるじゃん!そう言えば今日の昼飯
    果物ねーんだっけ。ったく、しけてるよな!切ってやるよ
    ナイフある?」

俺はサイドテーブルからナイフを出す。テンションの塊のような
看護婦は俺から受け取ると、そそくさと帰ろうとしている
学帽の看護婦にリンゴとナイフをつきだす。


ジョセ「承子ー切って。」


にこにこ笑うジョセフィーヌに対し、ばっと振り返って
ビシッと承子は怒鳴りつける。


 承「言いだしっぺはてめえだろうが!てめえでなんとかしろ!!」


ジョセ「ちぇーーー・・けちーーー。仕方ねえなあ・・・
    おおっと・・・あぶねえーーーー!
     あ〜!!・・・オーノー!!俺こういうの大嫌い!!」

大嫌いというだけあってジョゼフィーヌのリンゴの
剥き方はほんとに危なっかしかった。俺が止めようとする前に
彼女の手からリンゴが奪われる。傍には承子がむっつりして
シャリシャリとリンゴの皮をむいていた。

あっという間に、綺麗に剥けたリンゴと用済みの
ナイフをぶっきらぼうにジョゼフィーヌの手に渡す。

帰ろうとする承子をジョゼフィーヌが止める。

ジョセ「おい!まてよ!このままかよ」

 承「・・・てめえは四等分に切ることすらできねえのかよ・・。」

ジョセ「そうじゃなくて、どうせやるならウサギさん型に切れよな!」

 承「・・・つきあいきれねえな・・・。」


そういって承子は背中を向けたまま、ドアを開けるとジョセフィーヌに


承「化粧濃いぜおばさん。」


と、悪態をついてでていった。


ジョセ「あのガキャーーーー。(`皿´)俺とたいして歳違わねえくせに・・・」


怒りで肩を震わすジョセフィーヌ。おれが宥めると少し
怒りが収まったのか、リンゴを四等分して俺に出した。

俺は苦笑いをしてそれを受け取る。ふと彼女の視線が熱心に
リンゴを捉えている事に気づく。「食うかい?」
と質問すると「すまねえなあ!腹減っちまって・・」
といって、勝手に『半分』とって口の中に頬張った。


ジョセフィーヌはシャリシャリと小気味よい音をさせ、リンゴを
頬張りながら俺に次々と業務的な質問をこなす。

ふと失礼だとは思ったが、おれは「化粧」のことを聞いてみる。
彼女の顔には化粧している跡がない。その質問に
ちっ、と舌打ちすると口をとがらせ、話出した。

ジョセ「あー・・以前は化粧してたんだが、副婦長に
「病院内での化粧は禁止」って、いわれちまってよー
・・・承子の奴なんか『ピエロが来たのかと思ったぜ』
なんて言いやがってよー!あームカつく!」

 両手拳に力を入れながら悔しがるジョセフィーヌ。ふとこっちを見る。

ジョセ「・・だってよー俺以前メイクして敵の兵士どもを
    ノックアウト←(※キックで)したんだぜー。あーこりゃーいける!って
    思うじゃんよ・・・まあ・・副婦長に君は
   「素顔に自信持っていいんだよ」って言われたときゃー
    嬉しかったけど・・・。お前もそう思う?」

ス「あ・・ああ!あんたそのままで十分輝いてると思うぜ」

ジョセ「この野郎♪嬉しいこと言ってくれるじゃねえか!」

ス「・・・ははは(^Д^;)ところで副婦長さんにまだ会ってないなあ、
   素敵な人かい?」

ジョセ「素敵も何も俺の親戚の姉ちゃんだからな。俺の大好きなエリナス兄
ちゃん
   (※エリナ)が惚れた人だ!いい人に決まってるぜ。承子もそうだが
    俺達三人は特に似ているところがあるって言われてるぜ。」

ス「・・・そうなのか(ああ・・・線が太いのと長身だけは、最後まで
  ついてまわりそうだな。)」

にこにこと話すジョセフィーヌ。どうやら最初のほうに来た看護婦も
自分たちの親類らしい。突然ふと何かを思い出したのか、
彼女の顔がいきなり曇りだす。

ジョセ「あー・・・でも・・・婦長がな・・・あの女も
    同じ血筋っていやーそうなっちまうんだよな・・・。
     前までは血つながってなかったんだけど・・・。」

どういうことだ?意味深な言葉を俺は疑問を感じたが
それを聞く前に「じゃあな、リンゴごち☆」と
クールに決めて外へ出て行ってしまった。


その後扉の外で激しい言い合いと、物が壊される音が
聞こえたが、俺は何も聞かなかったことにしようと思う。



後日

いよいよ俺も退院か・・・皆が待っていると思うと心踊るぜ。
 支度を整えてるとコンコンとドアをノックする音。


 「今いいかい?」


と優しげな声が返ってくる。断る理由もないので
俺は招き入れる。青い髪で長身(やっぱり線は太い)
の顔立ちの整った副婦長がそこにいた。


俺がどうぞと招くと、軽く会釈して優しく笑い
ゆっくりと入ってきて俺の用意した椅子に座った。

身長には似合わない柔らかく少しあどけない声が俺に尋ねる。

 「いろいろ大変だったね。もう苦しいところはないね?」

ス「もちろん!これも皆さんのお陰だって
  俺は感謝してるんです。」

 「ううん。僕は君が頑張ったのだからと思う。あと・・
 しいて言えば君の仲間たちの思いが伝わったんだね。
  あ・・・申し遅れたね、僕はジョナっていうんだ。
  君はスピードワゴン君だよね。」

ス「はい。」

ジョナ「君は最後に3つやらなければならないことがある。
     最高の笑顔で仲間たちの所に戻ること。元気になったら
    一層仲間たちの力になってあげること。それともう仲間を
    心配させるようなことをしないこと。これを心掛けてほしい。」

ス「・・・ジョナ副婦長・・・」

く・・・なんてひとだっ!!あんた本当の淑女だぜ!!

ス「ぜひ握手してくれ・・・」

 俺の握手に彼女は微笑みながら手を差し出す
熱い握手を交わしたその時だった。

ぷちっ・・・何かが俺に当たる。

 当たったそれを見るとどうやらボタンだった。
ジョナさんと目が合う。彼女は困ったように笑うと
俺から其れを受け取った。

ジョナ「あーーー・・やっぱり外れちゃったか」


 掌のそれを見つめる。
 俺は彼女の手の先を見る。胸のボタンが一つとれていた。

ジョナ「みっともないところを見せてごめん。」

 彼女がばつが悪そうに笑う。

ス「・・・そんな別に・・・」

ジョナ「最近胸の当たりがきつくなった感じがしてたんだけど・・
    早く服を新調し直せばよかったかなあ・・・」


そ・・・そういわれても・・・「そうですね、」といやあいいのか
「そんなことないです」、っていやあいいのか困るぜ・・・



「・・・・くくく・・・きつくなったのは、はたして
 胸だけかな・・・・」



 背後のドアがバタンと開く。後ろに立つ大きな影。
 途端にジョナさんは険しい顔をする。

それは、まるでゴゴゴゴ・・・という効果音が似合いそうな
今までにない圧迫感を持った看護婦だった。


 D「・・・・婦長のdiona(ディオナ)・・・だ。」


そういうとジョナの隣の椅子にズン・・・と座った。



こ・・・こいつは・・・すげえ・・・



いままでの看護婦たちのインパクトが、
全部吹っ飛ぶような存在だ。

いままで線が太いと感じていた看護婦たちが、か細く
見えるようだった。

ジョナさんはため息をつくとディオナ婦長に
俺への挨拶を促した。

 D「ふん!なぜそんなことをこの俺が?俺が来たのは
  貴様の説明に付け足しを加えたかったからだ・・・。」

ジョナ「・・・つけたしって・・・・?」

 D「いいか?そこのお前。こいつはいかにも胸だけ
  が大きくなったように思わせたいようだが、
   なんてことはない、はっきり言って「太った」のだ。」

ジョナさんが顔を赤くして怒り出す。

ジョナ「き・・君はそんなくだらないことを言いに
    ここにきたのか!!」

 D「ほう・・・違うというのか・・・・」

ジョナ「ち・・・違うとか違わないとか今は関係ないだろ?」

 D「答えになってないな・・・」

ジョナ「ち・・・違う!!」

 D「では、貴様は今まで食べたチョコの数を覚えているのか?」

ジョナ「わかるかそんなの!!」

 D「ではもう少し簡単に聞こう、今日食べたチョコの数は?」

ジョナ「・・・・う。・・そ・・そんなこと考えてられるか・・」

 D「はっ!!まさに体重を気にしない奴の言いそうなことだ!」

ジョナ「くっ・・・ああ太ったさ!!だけど・・・ほんの少しだ!!」



ジョナさんは本当に悔しそうだ。少し涙目になってる。でも、すまねえ・・・
 このディオナっていう婦長の威圧感に押されて俺は・・・
何も言えねえ・・・心の中でおうえんさせてくれ・・・


ディオナはジョナが悔しがっているさまを見てとても
楽しそうに笑う。その時だ。


ぴょーん。


婦長の胸から何か白いものが飛ぶ
胸のボタンだった。

ジョナ「みろ!!君だって人のこといえるのか!!」

ジョナは立ち上がって婦長を指さす。

 婦長はふ・・と笑ってゆっくり立ち上がる。

しゅる・・・ポケットから何か出した。それを
 ジョナに突き出す。

 D「ならば測ってみるがいい・・・
  俺の括れたウエストを、俺はこのまま身動き
  一つせん。・・どっちが細いかな・・?」

さあどうぞとばかりに両手を広げる婦長、

ぎゅっと巻き尺を握りしめ震えるジョナさん。

 途端地面に手をつき

「ちくしょう!!」

と悔しそうに拳で地面を打った。

なんだかわけが判らない茶番劇も終わり俺は
退院手続きの書類を書き続ける。

 体は快調なはずなのになんだこの重い気分は・・・


不意にディオナが上着を脱ぎだしそれをジョナさんに投げつける。

 D「承子かジョルノにボタンつけさせておけ。
   逆らえば「今夜泣かす」と付け足しておけ。」

ジョナ「なっ・・なんて酷いことを言うんだ!あの子たちは
    まだこどもなんだぞ!僕がやってやるよ!この位!」

 D「お前とジョセフィーヌにだけは裁縫は頼まんと宣言しよう。
   お前らは糸が絡むと、必ず力技を発動するからな。
   不器用なお前らをいびるのもいいが、不器用もあまりほどが過ぎると
   イラつくしな・・・。」

ジョナ「だいたいあのふたりは特に君を憎んでいるんだぞ。
     承諾なんてするわけないだろう。」

 D「上等!だからさせるのよ!憎い奴の服のほころびを直す!
   さぞくやしがる顔が、ぜひみてみたいものだ!」

ジョナ「もういい!服屋に頼むよ!!でも場所は教えないからな!」

たぶんジョナさんがそういうのは、服屋の仕立てに不満を持ったら
この人仕返しに行きそうだしな・・・。そういうことを考慮に
いれているんだろう。

 D「何を見ている貴様」

俺はギクッとした。つい何となくみちまったが、なんか
取り返しのことをしたんじゃないかと後悔した。

ジョナ「いい加減にしないかディオナ!その人は元はといえど、
     ここの患者さんだったんだぞ!」

 D「ふん。まあいい俺の肉体は誰もが見惚れるからな。
   おっと・・ジョナ自惚れるなよ?この肉体は
  確かに以前はお前の物だが、あれから俺が更に
  美しくカスタマイズして、今のこの肉体があるのだからな。」
  
たしかに・・・今のジョナさんと比べたら体が大きい・・・

あれ・・・?だとしたら今のジョナさんの体は?
そんな俺の疑問を読み取ったのかジョナさんが答える。

ジョナ「説明しにくいんだけど・・・僕は別次元の
    存在なんだ。別次元の僕にもライバルがいて
    ・・・でも・・・。」

 D「おれがそこからさらって来ただけのことよ。」

ジョナ「まったく・・・最初誰だか分らなかったよ。
     なんていうか・・ 僕のライバルだった奴とは
    かなり容姿が違ってたし・・・面影はあったけど。」

 D「はっきり、男前が上がったと言えばどうだ。」

ス(え・・・男・・?)

ジョナ「・・・・(-.-)。しいて言えば、体が一回り大きくなって
   小奇麗な顔から精悍な顔になったっていう感じかな。
     でも・・・いま考えるとジョースター家の血が
    そうさせているのかもね。」

 D「・・・・お前らの遺伝である『大きめの、女みたいなキラキラお目々』が
  はたして精悍と通じているかは宇宙の真理より謎だが、
   ここは10000000歩くらい譲ってやるとしよう。それはおいといて
  そんな男前な俺が相手に変わっただけだろう。何か問題でも?」


ジョナ「そのライバルは過去の君なんだよ?そんなことしていいのか?」

 D「別次元の過去の俺のことなんか知るか。今の俺自身が満足できればそ
   れでいいのよ!どうせ、お前は俺に殺される運命にあった。
   今こっちに連れてきて生かそうが殺そうが文句など言えんはずだ」

ス(おいおいおい・・・ふたりは婦長を目指していたんじゃないのか?
   なんで殺すとかの話になるんだ???)

 D「と、いう訳で分かったな?」

ス「え?」

 D「ジョナの事は理解できたなといったんだ。」

ス「は・・はい!!」

 D「よし。ま、そんなわけでこれはこいつの体であり
   俺の体でもあるのだ、ま、昔と比べ一つだけ納得いかんのは、
    股間のサイズか・・・こればかりは俺のテクニックで
   補うしかない。しかし、最初は感じやすくて
   早くイく感覚がなかなか抜け出せなくて・・
   全く・・耐久力も持久力もなくてほとほと苦労したぞ。
    いろんな女で試してやっと元の俺の本来のプレイに戻せたわけよ。」


ス(あれ・・・?いま女と寝たみたいなこと言ったけど
 この人女だよな・・・?)

ジョナ「ディオナ!!散滅せよ!!」

 D「ふ・・いまここで闘ればそいつもただで済まんぞ。」


 俺を指さす。え、マジで。


あー・・ジョナさん怒ってる・・心中お察しするぜ・・

 ジョナ「・・・その女性遊びが元でジョルノみたいな
    不幸な子を産んだんだ!僕はジョルノに謝っても
    謝っても謝りきれない!僕の意志でないとはいえ
    遺伝子は僕のだから!」

 D「しかし頭から上は俺だ。百年もたてば俺の血は、もうすっかりお前の体
  に循環している。
   よって俺の血とお前の血がまじって一つの体に入っているわけだ。
   つまりあのガキは理屈上では俺とお前の
   血を受け継いだガキとなるわけだ。」

ス(な・・・なんか話がややこしいぜ??この婦長さんが
  女であるかどうか以前に。
  二人が言う事がほんとならあのジョルノって子は、
  自分らの娘さんだというのかっ!?でもそうしたら歳が合わないぜ・・
  二人はどう見ても20代そこそこだし・・あ・・でも百年の間とかいってるし
  ・・・あーーー!もう訳が分からないぜ!!)

ジョナ「・・・判ってるさ。僕はあの子が望むならこれからも
    面倒を見てあげたいと思ってるし、嫌でなければ愛情も
    限りなく注いだあげたい・・・!君はどうなんだ!?
     少しでも・・反省(・・・無理か)いや、自分の血を
    うけついだ子だと思うならそれなりの愛情・・(・・・これも無理か)
     じゃなくてもいい!親としての責任を果たしてみろ!  」

 D「貴様の言うことも一理ある。」

ジョナ「え・・・・?ほんとに?(だが断る。とかいうんじゃ・・・)」

 D「だが躾は俺に任せて貰おう。貴様の砂糖菓子に蜂蜜を付けたような
  甘っちょろい躾では躾の意味がない。」

ジョナ「ちょ・・・ジョルノを痛めつけたりしないだろうね!」

 D「痛めつけられていると思うか、愛されていると思うかは
  あのガキの勝手よ・・・まあ心配するな。いずれ『愛されている』
   と思うような、従順な体にしてやるからな・・・くくく・・・」

ジョナ「君はもう金輪際、ジョルノに関わらなくていい!!!!」


ス(ジョナさん・・・あんたみんなの面倒までみてるのに・・さらに
  一番手のかかるこの婦長の面倒までみなきゃいけないのか・・
   ハードだぜ・・・ハードすぎる人生だぜ!!)
  

ジョナ「・・・それからジョニア(←※ジョニー)にも関わらないでくれ」

 D「ああ・・あの馬刺しに乗ったガキか。そういえば最近見ないな。」

ジョナ「あの馬はあの子の大事な友達であり
   「足」なんだぞ!!馬刺しとはなんだ!!」

 D「怒りたいのはそこか?」

ジョナ「そ・・・それもあるけど・・君・・ジョニアに・・・
    えーと・・・・その・・・い・・悪戯したらしいじゃないか!!」

 D「悪戯などしてない。レイプしただけだ。」


ス(・・・言っちまった。)


 D「貴様も知っていると思うが、俺は獣が嫌いだ。その嫌いな獣に乗って
  俺を見下ろすという愚行をしたので、体に判らせてやっただけよ。」

ジョナ「その上「また襲ってやるぞ」っていったそうじゃないか!!
     可愛そうに!!「俺・・・これからどうしたら・・」っていって、凄く
    怯えていたぞ!あの子は足が不自由なのに・・
    卑劣極まりない行為だと思わないのか!
     苦渋の決断の結果、ジョニアと他の子二人を姉妹病院の方へ
    配属させたよ。もう二度とそんな悲劇がおこらないように!!
     それに僕も君の見張りばっかりしていられないんだ!」


ス(ああ・・・あのほんとに冒頭だけに出てきた看護婦たちのことか・・
  グッジョブ・・・ジョナさん・・・)


 D「なんだ貴様・・・夜間おれの寝室の前にいると思ったら・・・
   そんなくだらないことでドアの前に立っていたのか・・・・
   少しでも『俺が欲しくて待っているのか』と思って、感心してたのに。
    不覚にも『可愛い奴』と思ってしまった俺のピュアな心を返せ。」

ジョナ「・・・・ディオ・・・ナ!・・・散・・」

そうジョナさんが言う前にディオナ婦長が無言で俺を指さす。

ジョナ「・・・・・くっ・・・」

ス(やべえ!!早く書かねえと。俺が今ジョナさんにしてやれるのは、この
   退院手続きを素早く仕上げることだぜ!!がんばれ俺!俺の名は
   伊達じゃねえってことを証明しなきゃ・・・!)

ジョナ「・・・・ディオナ・・・廊下に出てくれるか?」

 D「なんだ?患者の前で浅ましい奴め。夜まで待てんのか?」

ジョナ「文・句・を・い・い・た・い・だ・け・だっ!!!!!」

 D「ふん・・つまらん。5文字以内に収めろ」


ス「できたぜ!!!ほ・・ほらこれで良いだろ?」

ジョナ「・・・あ・・・すまない。た・・確かに。」

 D「命拾いしたな。死にたくなければ早く立ち去れ。」

ス「そ・・・それでは・・か・・・感謝してるぜー!!」


 俺が廊下を猛スピードで廊下を駆けていく。最後のドアを
開けて外に出るその時・・・

 ゴゴゴゴ・・・・



砂煙をあげてゆっくり病院が崩れ落ちていくのがわかった。

なんてこった・・長い人生の中こんな体験はもう二度どしねえだろう。
いや・・したくねえけど・・・


 ジョセ「おーーーい!!あんたまだいたのかよ。危機一髪だったなー。」



 声のする方を見ると見覚えのある看護婦達と数十人の患者たちが、とっく

避難していた。み・・・みんな無事だったのか。後味悪い結果にならなくて
 よかったぜ・・・。でも・・・


 ス「婦長と副婦長が・・・」



 正直副婦長が無事であればいいと思ったが、この壊滅ぶりじゃ
 どっちもただじゃ済まないだ
 ろう・・・

 やるせない気持ちで見つめていると後ろから声がしてきた。


ジョル「あの二人なら大丈夫ですよ。まあ婦長だけは大丈夫でなくても
    構いませんが・・・・」

 承「・・・・いつものことだ・・慣れちまった・・・。」

ジョセ「まあ咳き込みながらも、文句を言い合って出てくるのが
    関の山じゃね?」

なんてこった。初めてじゃないだと?それにしてもきっとこれから
大変だということは変わりねえだろ。


ス「・・・そうか・・まあこれからが大変だよな・・
  あんたらも職を失っちゃって・・・。」

 承「・・・・そんなに上手いこといかねえんだよ・・・。」

ス「え?あ・・・ひょっとしてたて直すのか?なら長期休暇とか・・・」

ジョセ「とんでもねえ!今夜は徹夜だぜ!!これから患者を新館に
    移動させなきゃいけねーわ必要な器具を用意しなくちゃ
    いけねえわ・・・。」

ス「し・・・新館?」

ジョル「あちらに見えるのがそうです。あ・・・ほかのは
    皆、次の予備ですから。」


彼女が指差した先にはズラーーーっと白く大きな建物が
並んでいた。え・・・あれ全部病院?


 承「・・・・ジョースター財閥はやたら資金がありやがるんだ・・・。
   全くどこから金が流れてくるのやら・・・。」

ジョセ「ま、そういうわけで。またな!まあ病院で再会って
    縁起が悪いか!ここは「元気でな」か!・・・
    おーい!ジョルノに承子!早く移動の準備するぜ。」

 承「俺に指図すんじゃねえ・・・」

ジョル「はい。こっちは準備整っています。それでは
    スピードワゴンさん失礼いたします。」


ス「あ・・・ああ、いままでありがとう・・・」


俺は複雑な思いで病院を後にする。ふと通りすがりの
俺に聞き覚えのある声がかかる。



ジョナ「スピードワゴン君、お元気で。」

 D「ふん。無事だったのか。悪運の強い奴だ。」



そう言って俺の横を自然に通り過ぎて行った。


 後ろを振り向くと見覚えのある二人が遠くで何かを言い合っていた。


まるで何もなかったようにピンピンしている二人が・・・・



 エンド





オマケ(※らくがき)漫画
下品注意  非エロ    

 
院長→DIO  副院長→ジョナサン
看護士兼息子→ジョルノ


見たくない人→戻る

















                         二人の息子(※正式な意味で)

                     ジョナサンがDIOに体を乗っ取られた後の
                           体内の状況です↓








戻る